1 - Google Meet についに登場! 待望の「自動メモ生成」日本語版

Google Meetの自動メモ生成機能(日本語版)が登場!議事録作成を効率化する注目の新機能を徹底レビュー。使い方から実際の使用感、現時点でのメリット・デメリットまで、詳しく解説します。

Google Meet についに登場! 待望の「自動メモ生成」日本語版

Google Meet に、英語版で先行提供されていた「自動メモ生成」機能が、ついに日本語版としてリリースされました。
この機能は、会議の内容をリアルタイムで文字起こしし、AIが要点を抽出して議事録を自動生成するものです。
「自動メモ生成」は、議事録作成にかかる時間と労力を大幅に削減し、会議参加者が議論に集中できる環境を提供します。
本記事では、リリースされたばかりの日本語版の使用感をまとめ、読者の皆様に最新情報をお届けします。

【記事公開時点での注意点】
この記事は、リリース直後の情報に基づいて作成されています。
Google Workspace のニュースレターによると、新機能の提供には数日から数週間かかる場合があるとされているため、この記事の公開後も機能の追加や改善が行われる可能性があります。
そのため、この記事の内容はあくまでリリース時点での感想としてご覧ください。

自動メモ生成機能とは?

「自動メモ生成」は、Google Workspace のオンライン会議ツール「Google Meet」の新機能です。
英語版では「Take notes for me」として先行提供されていましたが、約半年後の2025年3月13日、ついに日本語版がリリースされました。

「自動メモ生成」機能では、Google Meet の会議内容をリアルタイムで文字起こしし、AI(Gemini)が要点を抽出して議事録を自動生成します。

  • Meet の要約と文字起こしを Google ドキュメントで自動作成
  • 作成したメモを Google Meet の参加者と自動共有
  • 会議主催者は、会議終了後、ハイライトへのリンクが記載されたメールを受信

「自動メモ生成」機能は、Google Workspace の対象プランをご契約のお客様がご利用いただけます。
Business エディションの場合、Business Standard、Business Plus が対象です。(その他エディションについてはお問合せください。)

簡単な使い方・出力形式

自動メモ生成機能は、Google Meet の会議ルームに入室後、手動で有効化する必要があります。
会議を開始しただけでは、自動的に有効にはなりません。

自動メモ生成の使い方

有効にするには、Google Meet の会議中、画面右上のペンのアイコン「Gemini でメモを生成」をクリックし、「メモの作成を開始」ボタンをクリックします。 この時、「会議の文字起こしも行う」を有効にすると、自動メモ生成で作成されるドキュメントに文字起こしデータが追加されます。
メモの作成は、会議終了時に自動で終了しますが、手動で停止することも可能です。

機能が有効になると、会議終了後、自動的に Google ドキュメントが生成され、Meet 主催者のマイドライブ内の Meet Recordings フォルダに保存されます。

  • 保存場所:マイドライブ>Meet Recordings
  • ファイル名:(ミーティング名) - YYYY/MM/DD HH:MM JST - Gemini によるメモ

会議の主催者と参加者には、会議終了後、生成されたドキュメントへのリンクが記載されたメールが送信されます。
また、生成されたドキュメントは Google カレンダーの会議予定にも自動的に添付され、組織内の会議参加者に共有されます。

出力形式

自動メモ生成機能で生成される情報は以下の通りです。

  • 会議の基本情報
  • 会議の要約
  • 会議の詳細
  • 文字起こし(有効にした場合)

出力されたメモのイメージ

生成されるドキュメント

基本情報

  • 日付
  • カレンダー上の予定名(Meetのタイトル)
  • 招待済み(参加者)
  • 添付ファイル(Google カレンダーの予定、カレンダーから作成したドキュメントのリンク など)
  • 会議の録画(文字起こしファイル、録画ファイル など)
    • 「録画」とありますが、英語は「Meeting records」となっているので、多分そのままの訳語になっていると思われます。

まとめ

会議中のやり取りの要点がまとめられています。
話し合われたテーマ、決定事項、対応事項などが簡潔に把握できます。

詳細

テーマごとに話し合われた内容、結論・決定事項、今後の課題などが詳細にまとめられています。
自動でタイムスタンプが挿入されるため、文字起こしと照らし合わせながら内容を確認する際に便利です。

実際のところ、使えるのか?

実際に社内ミーティングで自動メモ生成機能を使ってみました。
今回のミーティングは、特定のテーマについて議論するというより、雑談を交えながら現状を共有するような内容でした。

率直な感想としては、自動生成されたメモは、議事録としてそのまま使うのは難しいという感じです。

記録自体は便利ですが、雑談が重要な決定事項のように扱われたり、発言が誤認識されたりする場面もあります。
そのため、参加者以外に「これを見ればわかる」とは言い難い温度感です。

一方で、手動作成より詳細な記録が得られるのは確かなため、編集を加えれば質の高い議事録にすることができます。 特に、記録を取る余裕がない少人数の会議では非常に役立ちそうです。 文字起こしの精度は高くありませんが、内容を思い出す際やタイムスタンプや録画と併用することで発言確認に役立ちます。

総じて、自動メモ生成機能単体での高度な議事録作成は難しいものの、編集を前提とすれば、議事録作成の強力なサポートになってくれそう、という感じです。 現在はリリース直後で調整中の部分も多いと思われるため、今後の精度向上や機能拡充でより使いやすくなってくれるのではないかと期待できます。

一部改変した自動メモ生成の結果

以下は、機能ごとの評価です。

まとめ

  • よかった点

    • 話さされた内容をざっくりまとめている
    • すべき対応をまとめてくれるので、次のアクションを漏らしにくい
  • 改善を期待する点

    • テーマごとの重要度(ウェイト)がわからない

詳細

  • よかった点

    • テーマ単位で区切って作成してくれるので振り返りがしやすい
    • タイムスタンプがあるため「終盤で話した気がする…」というような曖昧な記憶でも振り返ることができる
  • 改善を期待する点

    • 細かいニュアンスがなく、文脈が抜け落ちてわかりづらい内容がある
      • 文字起こしや録画で補完することで対応できる
    • 重要な点や決定事項が本旨からずれていることがある
    • 第三者について話しているのに話者が違う 例:Aさん「Bさんは〇〇だと言っていました」→メモ「Aさんは〇〇だと認識しています」
    • 対象となる事柄が省略されており、文脈から判断する必要があるため、理解しづらい
      • “新規サービスの"料金設定、“Google Workspace の"設定変更など、““内の部分が省略される

文字起こし

  • よかった点

    • やりとり全てを書き起こしている
    • タイムスタンプがあるのでメモと合わせて確認しやすい
  • 改善を期待する点

    • 変換精度が低い
    • 口語調の会話のため、正しく文字起こしされていない箇所が多い
    • 会議に参加していない人が文字起こしを読んでも内容を理解するのは難しい
      • 参加者が振り返って思い出すのには十分使える

他、全体的に

  • 固有名詞の誤変換
  • 日本語のニュアンスの違い(未確定事項が確定事項のように記述されているなど)
  • 会議の使用限がが英語になっており、日本語が選択できないことがある
    • 英語状態で機能を実行しても正しく情報が生成されない
    • 発生条件や解消方法が現時点では不明

おわりに

この記事では、Google Meet に新たに搭載された「自動メモ生成」機能(日本語版)について、その概要、使い方、実際の使用感などを紹介しました。

自動メモ生成機能は、「これさえあれば全部おまかせでOK!」というものではないですが、ゼロから議事録を作成するよりは確実に効率的です。
全てを任せておくのは難しいものの、議事録作成まで手が回らない場合に、議事録の叩き台として使うなど、アシスタントに使うには非常に便利な機能だと感じました。

精度向上や未実装機能など、今後のアップデートが待ち遠しいです。 またニュースがあればお知らせします!

皆様もぜひ実際に使ってみて、その感触をお確かめください。

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2 - Google Vids でプレゼン資料を動画に変換

Google Vidsで、既存のプレゼン資料を簡単に動画に変換する方法をご紹介!Googleスライドから動画を作成する手順を、図解入りで分かりやすく解説します。

はじめに

2025年1月に、Google Workspace に 追加された生成AI機能の中に Google Vids があります。
このツールは、ビジネス向けの動画作成を支援するオンライン動画作成ツールです。
ゼロから動画を作成したり、用意されたテンプレートを編集して、動画を作成することも可能ですが、多くの企業様では、自社のプレゼン資料をお持ちではないでしょうか?
「いま持っている資料を動画にできたら……」という希望をお持ちの企業様も少なくないでしょう。

この記事では、お手持ちのプレゼン資料を Google Vids で動画に変換する方法をご説明します。
ぜひ、お手元の Google スライドでお試しください。
(本文では、弊社の会社紹介スライドを例に、完成した Vids も公開しています。)

PowerPoint ファイルを利用する場合は「PowerPointファイル(.pptx)を使いたい場合」もご確認ください。
Google Vids でゼロから動画を作成する方法は別の記事作成予定です。

既存のスライドを使う

  1. Google スライドのファイルを開く
    Vids として利用したい Google スライドを開いてください。

  2. Google Vids を開く
    1 とは別のタブで、Google Vids にアクセスします。

  3. 白紙の Vids を作成する
    画面左上部の「新しい動画開始」をクリックします。
    「テンプレートを使って開始」の画面が表示されます。
    今回はテンプレートは使用しないので、「テンプレートを使って開始」の右上の [×] ボタンを押します。
    プレーンな Vids の画面が表示されますので、ファイルに名前を付けてください。

Vids新規作成

  1. Google スライドからコピーして貼り付け
    1 で展開したスライドで、すべてのスライドをコピーし、Google Vids に貼り付けます。
    (スタイルの設定が表示されますが、一旦「スキップ」して先へ進みます。)

Vidsにスライドを貼り付け

この際、Google スライドで設定していたテーマは反映されません。
Google スライドで、テーマとして会社のロゴなどを配置していた場合は、手動で Vids の各シーンに追加する必要があります。

テーマは反映されない

先頭に白紙のシーンが残っているので不要であれば削除します。
貼り付け後、シーン編集画面の右側に「この動画のスタイル」が表示されます。

補足:PowerPointファイル(.pptx)を使いたい場合

PowerPointの .pptx ファイルは、そのまま Vids に貼り付けることができません。
.pptxファイルを使用したい場合、一度 Google スライドに変換する必要があります。

<方法>

  1. .pptx ファイルを Google ドライブの任意の場所にアップロードします。
  2. Google ドライブから .pptx ファイルを開きます。
  3. Google スライドとして展開されるので、これを使用します。
    この際、レイアウトが崩れることがあるのでご注意ください。

スタイルを設定する

スライドの貼り付け後、必要に応じてスタイルを編集します。
後からスタイルを設定する場合は、上部リボンから「シーン」>「スタイル」>「スタイルをカスタマイズ」、または上部リボンのパレットのマークをクリックします。

スタイルでは、各文字の色・フォント、シーンの背景色、図形の線・塗りつぶしの色などが指定可能です。

シーンの長さを編集

貼り付けられたスライドは、Vids でシーンとして作成されています。
1つのスライドにつき、1つのシーンとして5秒ずつ設定されていますので、シーンの長さを適宜編集してください。

編集画面下部から、長さを変更したいシーンを選択します。
選択されたシーンは青い枠が表示されますので、左右の端のいずれかにマウスカーソルを当てて、ハンドルをドラッグして時間を調整します。
シーンの長さは秒数で黒い四角に表示されます。

現時点では、一括でシーンの長さを設定する方法はありません。各シーンに対して個別に設定してください。

シーンの長さの調整

切り替えを追加

上部リボンの シーン>切り替え または、編集画面下部のシーンとシーンの間にあるボタンをクリックすると、画面の切り替え効果が設定できます。
画面右側の切り替え効果にマウスカーソルを合わせると、プレビューが再生されます。
効果によっては経過時間や方向も設定できます。

音楽を追加

今回は、Google Vids にすでに用意されている音楽を追加します。
既存の音楽を使用する場合は、上部リボンの挿入>アップロードで挿入することが可能です。
(カメラでの動画撮影・録音およびそれらの挿入方法については、別の記事でご紹介予定です。)

音楽を挿入したいシーンをクリックします。
全体における位置(秒数)は、マウスカーソルを合わせると白い四角で表示されます。
調整の際の目安としてご活用ください。
挿入箇所を定めたら、上部リボンから、挿入>ストックメディアとウェブ または、画面右部にある縦のメニューバーの上から4つめのメディアアイコンをクリックします。

画面右に「ストックメディアとウェブ」が表示されるので、「音楽」をクリックします。
挿入したい音楽のタイトル または、右上に表示されている「+」をクリックすることで、音楽をシーンに挿入できます。
音楽の視聴は、左の再生アイコンをクリック または、マウスオーバーした際に右上に表示される目のアイコン(音声を視聴)から行えます。

シーンの長さの調整

タイミングの編集、音量調整、フェードイン/フェードアウト

音声が挿入されると、シーンの下に音声の進行バーが表示されます。
このバーをクリックした上で、バーの上に表示されるスピーカーボタン または、上部リボンの表示形式から設定します。 調整したい内容に応じて、「音声」「音声調整」「Sound」のいずれかを選択します。

  • 音声>音声のタイミングを調整する
    再生のタイミングを変更する場合や、音楽の途中から再生を開始する場合に設定します。
    音声の開始位置や再生範囲は、音声バーのハンドルを移動させたり、全体をドラッグして移動させたりして任意の位置を設定します。

    音声のタイミングを調整

  • 音声調整
    音楽の音量を「データ量」の項目で調整します。
    100%が最大値です。
    ミュートを有効にすると、そのシーンだけでなく、動画全体の音声がミュートになります。

  • Sound
    「音声切り替え」の項目でフェードイン/フェードアウトを調整します。
    フェードの所用秒数は、0.01単位で最大5秒間で設定することができます。  

チェック

作成した Vids の内容を確認します。 上部リボンの 表示>再生 または、画面右上部の再生ボタンをクリックし、全編を再生します。
再生画面では、10秒戻し/送り、音量、字幕(設定がある場合、今回は未設定)、再生速度が設定可能です。
確認ができたら画面右上部の[×]ボタンを押して編集画面へ戻ります。

例:フリーグーフォ合同会社の会社紹介資料 Vids
動画のチェック

動画として出力

チェックした内容で問題なければ、Vids ファイルを共有・動画として保存します。

共有する

上部リボンのファイル>共有 または、画面右上部の「共有」ボタンをクリックします。
Google Workspace の他のツールと同様の共有ウィンドウが表示されます。
共有範囲を設定し、「完了」ボタンを押してください。

保存する

Vids ファイルは MP4 形式で保存できます。
保存先は、ローカルドライブか Google ドライブのいずれかを選択可能です。

  • ローカルドライブに保存する場合:
    • 上部リボンの ファイル>MP4としてダウンロード
  • Google ドライブに保存する場合:
    • 上部リボンの ファイル>Google ドライブに保存
    • Vids のファイルは、マイドライブに自動生成される「Google Vids のエクスポート」ディレクトリ内に出力される。  

まとめ

この記事では、Google スライドで作成したプレゼン資料を Google Vids で動画に変換する方法をご紹介しました。

今回解説した手順で、お手持ちのプレゼン資料を簡単に動画にすることができます。
ぜひ実際に Google Vids を操作して、動画作成を体験してみてください。

Google Vids には、この記事でご紹介した機能以外にも、録画や音声編集など、多彩な動画作成機能が搭載されています。
これらの機能を活用することで、より表現豊かで魅力的な動画を作成することができます。

当社は Google Workspace の販売代理店として、Google Vids を含む Google Workspace 製品に関するご相談を承っております。
「Google Vids を含む Google Workspace の導入を検討したい」「自社の課題を解決するために Google Workspace を活用したい」と思われた方は、お気軽にお問い合わせください。
貴社の課題やニーズに合わせた最適な活用方法をご提案させていただきます。

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3 - Google Vids とは?

ブラウザだけで動画制作できる Google Vids。 Google Workspace で使えるこのツールで、動画作成が驚くほど簡単に。 多様な場面で活躍する Google Vids について基本的な機能をご紹介します。

はじめに

2025年1月に、Google Workspace に Gemini の生成AI機能が追加されました。
それに伴い、新たに利用できるようになったサービスの一つに Google Vids があります。
Google Vids は Google Workspace Business Standard 以上で利用することができます。

Google Vids とは、ビジネス向けの動画作成を支援するオンライン動画作成ツールです。
企業では、会社紹介、製品紹介、社員研修、業務マニュアル、営業用プレゼン資料など、プレゼンテーション資料を使う機会が非常に多いのではないでしょうか。
「これらのプレゼンテーション資料を動画にできたら……」と思ったことはありませんか?
Google Vidsなら、プレゼン資料を簡単に動画に変換し、効率的に情報共有できます。

この記事では、Google Vids の概要についてご紹介します。
(実際の使い方については別記事をご参照ください。)

Google Vids とは?

Google Vids とは、Google Vidsは、プレゼン資料から研修動画まで、ビジネス動画を効率的に作成できるツールです。
Google Workspace Business Standard 以上のプランで利用することができます。

アプリのイメージ

Googleのドキュメントやスプレッドシートのように、ブラウザ上で操作することができます。
特別なソフトウェア、動画編集スキル、専門知識がなくても、動画の作成が可能です。
また、共同編集機能や共有機能も充実しており、作成した動画はダウンロードして使用することができます。

Google Vids を使うことで、業務の効率化や情報伝達の円滑化が期待できます。
営業資料を動画にして顧客に送付することで、より視覚的に魅力的な提案が可能になります。
動画とナレーションの機能を活用すれば、プレゼンター不在でも完璧なプレゼンを提供することができます。

なお、2025年3月現在、モバイルは表示のみが可能で、編集することはできない点にはご注意ください。

機能

Google Vids の基本機能を紹介します。

  • シーンの作成
    Vids の動画は複数のシーン(場面)から構成されています。
    シーンとは、動画を構成する一つ一つの場面のことです。編集画面ではスライドのように表示され、それらを繋ぎ合わせることで動画が作成されます。

    シーン

    実際のシーンの編集もスライドのような感覚で操作でき、テキスト、画像や動画の挿入、図形の作成、アニメーションの追加といった基本的な機能を有しています。

  • 音楽の挿入
    シーンに合わせて音楽を再生することができます。
    音量や再生タイミングの調整、フェードイン・フェードアウトも制御可能です。  

  • 動画の利用
    既存の動画、ストックメディアの動画、Vids で撮影した動画をシーンに挿入することができます。
    扱える既存の動画ファイルの拡張子は、MP4、QuickTime、OGG、WebM で、Google ドライブ、パソコン上のファイルなどからアップロードして使います。
    (Vids での撮影は次の節で紹介しています。)

  • 豊富なテンプレート
    50を超える数のファイルテンプレートが用意されています。
    文字や画像のレイアウト、配色、アニメーションを差し替えるだけで、高品質のシーンが容易に作成できます。

  • 共同編集と共有 他の Google Workspace サービス同様に、Vids ファイルは複数のユーザーで Vids ファイルの共同編集・ファイルを共有することができます。
    編集者に労力が集中しがちであった作業も、関係者全員が作成に関与することができるため、効率よく作成・修正を行うことが可能です。

以下は、英語版では実装済みの Gemini と連携した機能です。
これらは、2025年現在は日本語非対応ですが、今後に実装が計画されています。
将来に実装された際はすぐにキャッチアップできるよう、頭の片隅に置いておくと良いかもしれません。

  • テキストによる動画生成
    ユーザーが入力したプロンプトから動画のストーリーやシーン構成を自動構成します。
  • 音声ナレーションの生成
    スクリプトに基づいてAIが音声ナレーションを生成します。

豊富なストックメディア

Google Visd には、無料で高品質なメディアが多数用意されています。
動画、画像、音楽、ステッカー、効果音、GIF などが用意されており、素材が少ない場合でもリッチな演出をすることができます。
Google の画像検索結果も表示することができます。

ストックメディアは、使用条件が規定されているものもあります。
それぞれのメディア上に表示される目のマークをクリックすることで内容を確認することができます。

ストックメディア

動画の撮影、録音

既存の動画・ストックメディア動画の利用の他、Vis のレコーディングスタジオ機能で動画を撮影することができます。

レコーディングスタジオ機能では、以下の4パターンの撮影・録音が可能です。

  • カメラ
  • カメラと画面
  • 音声と画面
  • 音声

ストックメディア

動画は1つにつき最大10分録画することができ、シーンに挿入して開始位置・終了位置の指定が可能で、ループさせることもできます。
カメラと画面の撮影では、カメラと画面が別々に保存されるため、それぞれに対してサイズや再生位置の加工を行うことができます。
また、プレースホルダー機能で、通常の四角以外の形で挿入することも可能です。

まとめ

Google Vids は、Google Workspace に新たに加わった、ビジネス向けの動画作成を支援するオンラインツールです。
多様な用途で活用でき、動画編集の経験がない方でも、高品質な動画を効率的に制作できます。

社内研修、製品紹介、営業資料など、あらゆるビジネスシーンで活躍します。ぜひ Google Vids をご活用ください。

Google Vids の活用方法についてご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
お客様の課題やお悩みを丁寧にヒアリングし、最適な解決策をご提案させていただきます。

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4 - 今こそ業務にAIを! Gemini 導入ガイド

AIで業務効率UP!Gemini for Google Workspace の導入メリットと活用法を解説。Google Workspace との連携で、あなたの働き方が変わるかも。 ビジネスを加速させる Gemini を導入してみませんか?

AI時代の本格到来

「私の業務にはAIなんて関係ありません。」
そう思っている人にこそ、ぜひお届けしたいお話です。

あらゆる場面でAIを目にするようになりました。
2027年には、AIの市場規模が約1,200億円になると予想されています。

業務効率化や働き方改革が叫ばれる背景には、AIの存在が不可欠であり、既にビジネスの世界において、AIは欠かせない存在と言えます。
AIの発展スピードは日進月歩どころか、秒進分歩といった速さで展開されており、「まだ使えるレベルじゃないかな」「ウチの分野ではしばらく必要ないかな」と思っていても、一年後・半年後には必要不可欠なものになっているかもしれません。  

この記事では、そんな最先端AIのひとつである Gemini の導入を後押しする内容をご紹介します。

なぜ今、Gemini なのか?

数あるAIのうち、なぜ Gemini が良いと言えるのかご説明します。

生成AIの魅力

Gemini は、Google が開発した「生成AI」です。

生成AIとは、簡単に言えば「コンテンツを生成する(作成する)」機能が備わっているAIのことです。
ただ単に、「検索する」「翻訳する」「画像認識する」だけでなく、文章、プログラム、表、画像といったコンテンツをAIが生成することができます。
「業務報告書を作成して」「コードのエラーを修正して」「このデータを分析して」「〇〇の画像をつくって」といった指示に答えることができるのです。
「与えた質問に答える」しかできなかったAIが「生み出す」「提案する」ということまで可能になったということです。

その高性能な生成AIが、Google Workspace に最適化されたものが Gemini for Google Workspace です。 Google Workspace の中にシームレスに組み込まれており、別のアプリを起動することなく、ブラウザ上で高度な処理を行うことができます。

何がもたらされるのか?

もっともご紹介したいのは、Gemini を導入すると、作業時間の短縮と業務の質の向上が可能になるということです。

従来の業務では、アイデア出し(ブレインストーミング)、テキストやプレゼン資料の下書きや概略作成に時間を取られてしまっていました。
それをAIと協業することで効率化が進み、付加価値の高い業務に時間が割けるようになります。

Google の調べでは、1ユーザーの週あたり105分の時間削減が可能になったということで、それが年単位となれば、年間で数十時間の削減になります。(もっと削減されたというリサーチ結果もあるようです。)
AIに任せて業務の時間が削減できるということは、その分の時間を創造的な業務に充てることができるようになります。
また、つい後回しになってしまっていた作業を行う時間にすることもできるでしょう。
それが、1人のユーザーだけでなく、社内ユーザーの全員で実現したらどうでしょうか?
全員が Gemini を活用することで、業務効率が飛躍的に向上し、企業全体の生産性向上に繋がることは想像に難くありません。

また、Gemini を使った77%のユーザーが「Gemini のない生活に戻れないと思う」と回答したアンケート結果もあります。
この結果から、製品がユーザーにとって魅力的で、実際に「使える」ものであるということが伺えます。

こうしたデータからも、Gemini の導入を検討する価値は十分にあるといえるでしょう。

Geminiの機能

では、Gemini for Google Workspace には具体的にどのような機能があるのか、簡単にご紹介しましょう。
(各機能の詳細や具体例、実際に自分の企業でどのように使えるかについては、ぜひ弊社までご相談ください。)

Google Workspace で利用できる Gemini の機能は多岐に渡ります。
例えば、以下のような機能が挙げられます。

  • Gemini アプリ:チャット形式での質問に回答するだけでなく、Google Workspace のデータと連携して過去1週間のメールから週報を作成するなど、様々なタスクを自動化できます。
  • Gemini サイドパネル:Gmail やドキュメントなど、使用中のサービスに特化したAI機能を、シームレスに利用できます。
  • NotebookLM:特定のトピックを分析し、洞察を得ることができます。
  • Help me write:ドキュメント作成時に、AI が文章作成をサポートします。
  • Gemini Advanced:Deep Research を利用して、リサーチしたい内容を簡単に下調べし、リサーチ計画を立てることができます。
  • Gemini Advanced:Gems を使い、社内規則などを学習させ、適切な回答を生成させることができます。

上記の機能以外にも、Gemini for Google Workspace には、様々な機能が搭載されています。

今後の見通し

Gemini の機能は、日々アップデートされています。

例えば、Gemini Advanced では、一度に処理できるデータ量であるコンテキストウィンドウを大幅に拡大することが計画されています。
また、英語版には実装済みの Google Meet で自動的に議事録を作成してくれる機能も日本語化対応予定です。

これらの機能が実装される前に、今から使い始めておけば、いざ実装された時にスムーズに活用できます。
「とりあえず触っておく」だけでも、Gemini の可能性を感じることができるでしょう。

他社製の生成AIとの違い

現在 Google Workspace をお使いでなくても、Gemini には多くのアドバンテージがあります。

Gemini は、テキスト、画像、音声、動画など、様々な種類の情報を理解し、統合的に処理できます。 例えば、画像の内容を説明したり、音声からテキストを生成したり、動画を要約したりといったことが可能です。

また、Google 検索を通じて、ウェブ上の膨大な情報にアクセスできるため、最新の情報や多様な視点に基づいた回答を提供できます。 また、Google の他のサービスとの連携により、リアルタイムの情報やパーソナライズされた情報にもアクセスできます。

Gemini は、Google Workspace を利用していないユーザーでも、その強力な情報処理能力と広範な知識ベースを活用することで、様々なメリットを得られます。 特に、マルチモーダルな情報処理、高度な推論、広範な知識アクセス、柔軟なカスタマイズ性といった点は、Copilot や ChatGPT と比較した Gemini の強みと言えるでしょう。

Google Workspace 導入済みの場合、さらにこんなメリットも

既に Google Workspace をお使いのお客様の場合、上記に加えて、Google Workspace の環境でそのまま生成AIが使えるというのも大きなメリットの一つです。
使い慣れたUI/UXで利用できる、新たな開発や運用の手間がない、安心・安全であるといった点が挙げられます。

通常、新しいものを導入すると、学習、運用、セキュリティ面でコストやリスクが生じます。
Gemini の機能は Google Workspace と地続きであるため、あらゆるコストを最小限に抑えることが可能です。
この点は、「費用をかけて導入したが定着しなかった、うまくいかなかった」というリスクを回避できる非常に大きなアドバンテージであると言えます。

価格改定

生成AI機能の追加に伴い、Google Workspace は、2025年3月17日よりすべてのプランで新価格が適用されます。 現在 Google Workspace をご契約されている場合は、次回の更新タイミングで新料金が適用されます。

Google Workspace のアップグレードおよび新規契約は、2025年3月17日以前であれば現行価格でご利用いただけます。
特に、Google Workspace Starter をご契約の場合、Gemini for Google Workspace を最大限に活用するためには、Standard 以上のプランが必要になります。
今なら、Gemini をフル活用できるプランに変更前の価格でアップグレードできます。
ぜひご検討ください。

おわりに

この記事では、Gemini for Google Workspace の導入を後押しする内容をご紹介しました。

Gemini は、AI技術の進化によって、私たちの働き方やビジネスのあり方を大きく変える可能性を秘めています。 導入することで、業務効率が飛躍的に向上し、より創造的な業務に集中できるようになるでしょう。

こんにち、AIは「使うかどうか」ではなく「どう使っていくか」を考えるフェーズに至っています。
まずは、Gemini に触れて、その可能性を感じてみてください。

Gemini の機能や費用について、ご興味やご質問がございましたら、FreeGufo へお気軽にご相談ください。

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5 - Google Workspace の新機能、NotebookLM Plus を使いこなそう

Google Workspace の新機能 NotebookLM Plus を活用して、資料の理解と分析を効率化しませんか? 本記事では、NotebookLM Plus の機能、使い方、活用事例をわかりやすく解説します。AIによる情報整理で、業務効率化を実現しましょう!

導入

NotebookLM は、Google が開発した AI 搭載のノートツールです。
ノートブックに追加された資料を理解して回答を生成します。
2025年1月、Google Workspace の Business エディションにこの機能が追加されました。

この記事では、NotebookLM の具体的な使い道と使い方についてご紹介します。
例として Google の公式資料をソースとして使用しますので、資料をご用意いただかなくても内容をお試しいただけます。

この記事で実際に行うのは以下の通りです。

  • NotebookLM でノートブックを新規作成
  • ソースを登録する
  • チャットで質問する
  • メモを追加する
  • 他ユーザーと共有する

事前確認

利用環境

この記事では、NotebookLM の上位版である NotebookLM Plus を使用します。
NotebookLM Plus が使用できないプランをご利用の場合は一部機能が使えませんのでご注意ください。

また、この記事では、パソコンでの操作を前提としています。
スマートフォンやタブレットでは、表示や機能が異なる場合がありますので、ご注意ください。

この記事に記載されている内容を実行した際に、クエリの実行回数を消費することがあります。ご理解の上お試し下さい。

データは学習に利用されない

NotebookLM のトレーニングに個人データは使用されません。
また、NotebookLM Plus の場合、インポートされたファイル、質問(プロンプト)、回答などのお客様のデータのコンテンツを Google サービスの改善のために使用することはありません。
お手持ちの資料を使用される場合は、規約をご理解いただき、十分ご注意の上ご利用ください。
リンク:NotebookLM によるデータ保護
リンク:NotebookLM Plus for Workspace 追加利用規約

では、実際に NotebookLM を操作してみましょう。

ノートブックを新規作成する

ノートブックとは、NotebookLM で作成したワークスペースです。
ノートブックには、ユーザーがNotebookLMにアップロードしたソース(資料)、チャットでのやり取り、Studioで作成したメモが含まれます。
ノートブックは、無料版の NotebookLM では 1アカウントにつき最大100件、NotebookLM Plus では 500件を作成することが可能です。

では、作成を始めましょう。
まず NotebookLM のトップページにアクセスします。
[+ 新規作成] ボタンを押します。
初めて NotebookLM にアクセスする場合は、この画面は表示されず、次に説明する「ソースを追加する」画面が表示されます。

トップページ

これでノートブックが作成できました。
次の手順で、NotebookLM の回答の生成元となるソースを追加します。

ソースを追加する

NotebookLM が回答を生成するための情報源となるソース(資料)を追加します。

NotebookLM は、Gemini のようにインターネットから情報を収集するのではなく、ノートブックに登録されたソースに基づいて回答を生成します。
生成したい回答に関する情報が少ないソースを追加した場合、適切な回答が得られない場合があります。
そのため、ソースはできるだけ質の高いものを多く用意するようにしましょう。
ソースの登録数には上限があり、無料版の NotebookLM では、1ノートブックにつき最大50件、NotebookLM Plus では最大 300 件のソースを追加できます。

ソース追加画面

ソースに使用できるのは、所持しているファイルをアップロードしたもの、Google ドライブのドキュメントとスライド、リンク、テキストです。

資料をアップロードする場合

アップロードアイコンをクリックするか、「ファイルを選択」をクリックします。
エクスプローラー(Windows)またはファインダー(MacOS)などが表示されるので、該当のファイルを選択して [開く] ボタンをクリックします。
アップロードできるファイルの種類は、PDF、.txt、Markdown、mp3などの音声ファイルです。

Google ドライブ/リンク/テキストを貼り付ける 場合

それぞれ該当するボタンをクリックし、ファイルを選択するか、URL またはテキストを入力します。

追加できるソース

Google ドライブの場合の注意

  • Google ドライブで利用できるのは、ドキュメントとスライドの2種類のみです。
  • 共有権限がないファイルは対象に含まれません。

リンクの場合の注意

ウェブサイト

  • 複数の URL を一度に入力することはできません。複数ある場合は都度入力します。
  • ウェブサイトでインポートされるのはテキストのみです。画像や埋め込み動画は対象に含まれません。
  • 有料記事はサポートされていません。

YouTube

  • 複数の URL を一度に入力することはできません。複数ある場合は都度入力します。
  • 現時点でインポートされるのは文字起こしされたテキストのみです。
  • サポートされているのは、公開されている YouTube 動画のみです。その他の動画はサポートされていません。
  • 最近アップロードされた動画はインポートできない場合があります。インポートできない場合は時間をおいて再度追加してみてください。

(例)「NotebookLM」についての資料

実際に NotebookLM の挙動を試してみるためのサンプル資料として、NotebookLM についての資料を用意しました。
お手持ちの資料がない場合や、お手持ちの資料を使用する前にお試しをしてみたいという場合に利用してみてください。

  1. サンプル資料はウェブサイトの URL なので、「リンク」から「ウェブサイト」のボタンをクリックします。
  2. ウェブサイトの URL 入力欄が表示されるので、3つの URL を1つずつ入力します。
  3. [挿入] ボタンを押すと、メイン画面に遷移し、ソースのブロックに先ほどの URL が追加され、チャットのブロックにはソースの要約が表示されます。
  4. ソースのブロックの [+ ソースを追加] をクリックして次のソースを登録しましょう。

ソースの追加が完了したら、次の手順ではメイン画面のチャットを操作します。

チャットで質問する

メイン画面のチャットブロックには、ソースの概要が表示されます。

メインのチャットブロック

左のソースブロックには先ほど追加したソースが一覧になって表示されます。
右のチャットブロックにある「メモに保存」「メモを追加」「音声概要」「ブリーフィングドキュメント」については、後の章で説明します。
ここでは、チャット機能の基本的な使い方について解説します。

1日あたりの実行回数

チャットの実行回数には、1日あたりの上限があり、上限回数は NotebookLM のプランによって異なります。
無料版の NotebookLM では、1日最大50回、 NotebookLM Plus では、1日で最大 500 回まで実行できます。

チャットブロック下部のチャット入力欄には、自由に質問を入力できます。
また、NotebookLM が自動生成した質問も表示されます。![][image5]

言語

ソースが外国語であっても、日本語で質問し、日本語で回答を得ることができます。
ソースの言語や質問の言語に関係なく、回答は常に日本語で出力されます。

Tips

質問の入力中、変換中にエンターキーを押してしまうと、途中入力状態でも送信されてしまいます。
この誤送信もチャットの実行(クエリ)としてカウントされてしまうため、質問は別の場所で入力してから貼り付けることをお勧めします。

(例)「NotebookLM」について質問

ソースに関することをいくつか質問してみてください。
ソースにないことを質問した際は、「情報は見つかりませんでした」などのテキストが表示されます。
クエリの数に余裕がある場合は質問してみてもよいかもしれません。

  • 「NotebookLMにはプランはありますか?」
  • 自動生成された質問を1つクリックする
  • 「日本の首都はどこですか?」(ソースにない質問)

参照元情報の確認

回答には、参照元を示すチップリンクが文末に表示されます。
参照元が複数ある場合は、すべて表示されて確認することができます。
チップリンクにマウスオーバーするかクリックすると、参照元のソースが展開され、該当箇所がマーカーで強調表示されます。

自動生成された質問

チャットを設定する

チャットの回答は、スタイルと長さを変更することができます。
この設定は、ノートブックの使用中でも変更が可能です。

設定は、チャットブロックのヘッダーにある右のスライダーのアイコンから行います。

チャットの回答スタイル

会話スタイル

NotebookLM Plus では、回答のテイストを指示することができます。
AI に対して「どのような役割で、どのように回答してほしいか」を指示する機能です。
回答スタイルを設定することで、自分の理解度や目的に合った回答を得やすくなる、対話を通じて新たな発見や気づきを得られるといったメリットがあります。

  • デフォルト:一般的なリサーチやブレインストーミングに適しています。
  • 分析:ビジネス志向の戦略や意思決定に適しています。
  • ガイド:社内マニュアルやヘルプセンターとして利用するのに適しています。
  • カスタム:上記以外のスタイルを指定する際に利用します。
    特定の役割や回答に具体的な方向づけを行いたい際に適しています。
    (例:「小学生レベルの平易な言葉で回答する」「回答の末尾に関連キーワードを3つ提示する」

出力の長さ

また、出力の長さ(短め、長めなど)を選択することができます。
具体的な文字数は指定できませんが、回答をコンパクトにまとめるか(短め)、詳細に記述するか(長め)を選択することができます。

(例)スタイルを指定してみる

まずはチャットのスタイルを変更せず、「チャットの出力の長さの「長い」と「短い」の具体的な文字数を教えて」と入力します。
「具体的に何文字であるという情報は記載されていない」旨の回答が返ってくると思います。

次に、会話のスタイルを変更してみましょう。
会話のスタイルを「カスタム」として「雑談するような感じで回答」と指示を入力します。
回答の長さは「短め」にして、[保存] ボタンをクリックします。
チャットブロックのヘッダー部分にある [更新] ボタンを押すか、ページをリロードすることで反映されます。(更新ボタンは回答の履歴が削除されるため注意してください)

再び、「チャットの出力の長さの「長い」と「短い」の具体的な文字数を教えて」とチャットに入力して実行します。
先ほどのデフォルトの回答とはスタイルと長さが変わっていることが実感できたと思います。

Studio機能の活用

Studio ブロックでは、ノートブックの情報をまとめておくことができます。
ここでは、音声概要とメモの2つの機能について説明します。

Studioブロック

音声概要

音声概要は、2025年1月時点では英語のみの対応で、日本語では利用することはできません。
(英語の場合は、ノートブックの内容を対話形式で構築された音声が生成されます。)

メモ

メモには、ユーザーが自由にテキストを作成して保存する機能と、NotebookLM がソースの内容を整理した内容を自動生成する機能の2種類があります。
いずれも [ソースに変換] ボタンをクリックすることで、ソースとして追加することができます。

チャットで得られた回答の下部に [メモに保存] ボタンが表示されます。
このボタンをクリックすると、回答がメモとして Studio に保存されます。
メモのタイトルは自動的に生成されますが、編集することができます。
ただし、NotebookLM が自動生成したメモの内容は編集できません。

メモを追加

ユーザーが自由にテキストを入力してメモを作成することができます。ノートブックの概要や使い方などをメモしておけば、後で参照する際に便利です。

学習ガイド/ブリーフィング・ドキュメント/よくある質問/タイムライン

NotebookLM がソースの内容を分析し、目的に応じた内容を自動生成します。

  • 学習ガイド
    • 重要な点をピックアップし、質問文、回答、用語集などの資料に関する知識確認に利用できる内容を生成します。
    • 新人研修や、教育現場での小テストの作成などに活用できます。
  • ブリーフィング・ドキュメント
    • 主要な内容をまとめ、全体を簡単に把握できるドキュメントを生成します。
    • 打ち合わせなどで事前に理解しておくべき情報をまとめるのに役立ちます。
  • よくある質問
    • ソースを踏まえて想定される質問とその回答を生成します。
    • 自社サービスや取扱説明書の FAQ ページを作成する際に便利です。
  • タイムライン
    • 資料の中に点在している情報を統合して、1つのタイムラインにまとめます。
    • 時系列が存在している事象やプロジェクトの進捗状況を整理する際に役立ちます。

(例)使い方についてメモを追加する

Studio ブロックの [メモを追加] ボタンをクリックすると、メモを入力するためのエリアが表示されます。
文字を入力し、装飾することができます。

内容は自動保存されるため、保存ボタンはありません。
入力が完了したら、Studio ブロックヘッダー部分の「Studio」をクリックしてメモ一覧に戻ります。
作成したメモは、Studio ブロック下部に表示され、いつでも確認することができます。

他のユーザーと共有する

ノートブックは、ヘッダーメニューの [共有] ボタンで、他のユーザーと共有することができます。
共有する際には、ユーザーの追加、アクセス権の設定、歓迎メッセージの設定、閲覧者のアクセス権範囲の指定を行うことができます。

他ユーザーとの共有

ユーザーを追加

同じ組織内のすべての個人ユーザーおよび Google グループとノートブックを共有できます。

  • ユーザー名を入力するか、候補に表示されたものをクリックして追加します。
  • Google ドキュメントなどのファイルと異なり、「組織全員」や「リンクを知っている全員」などの設定はできません。
  • Gmail ユーザーを含む組織外のユーザーに共有することはできません。
  • 組織内のメンバーのみで構成された Google グループは指定することができます。
    • 組織外のユーザーを含んだグループは指定できません。

アクセス権の設定

共有するユーザーに対しては、権限範囲を指定することができます。

  • 閲覧者:共有ノートブック内の共有されたすべてのソース ドキュメントとメモを閲覧可能。
  • 編集者は:共有ノートブック内のソースとメモを表示、追加、削除、他のユーザーとの共有が可能。
  • アクセス権を取り消す:共有済みのユーザーのアクセス権を取り消します。

歓迎メッセージ

ユーザーが初めてノートブックを開いた際にチャットブロックの先頭に表示するメッセージを最大で500文字を設定することができます。

閲覧者のアクセス権

「チャットのみ」のアクセス権設定は NotebookLM Plus 限定の機能です。
(無料版の NotebookLM ではこの項目は表示されません。)
閲覧者の権限を持つユーザーの共有範囲を「ノートブック全て」にするか「チャットのみ」にするか設定することができます。

  • ノートブック全て:チャット、ソース、メモの全てを閲覧することができます。
  • チャットのみ:チャットのみ利用可能で、ソースやメモを閲覧することはできません。

閲覧者にソースやメモを見せたくない場合や、チャットのみを利用させたい場合に役立ちます。
例えば、教育現場で補助教材としてノートブックを使用する場合、教師を編集者、生徒を閲覧者(チャットのみ)に設定することで、生徒がソースやメモにアクセスできないようにすることができます。

分析機能を使う

NotebookLM Plus では、分析機能を使って、過去 7 日間のノートブックの利用状況を分析することができます。
分析データはあくまでも参考情報であり、実際の利用状況と異なる可能性がありますのでご注意ください。
なお、分析機能を利用するには、ノートブックがオーナーを含む 5 人以上のユーザーと共有され、かつ過去 7 日間にチャットのアクティビティがある必要があります。

以下の 2 つの指標を確認することができます。

  • 1日あたりのユーザー数:1日1回以上クエリを実行したユーザー数
  • 1日あたりのクエリ数:1日あたりのユーザーがクエリを実行した回数

例えば、新たなノートブックを作成する際に、よく利用されているノートブックを参考に、構成や内容を検討することができます。
また、利用頻度の低いノートブックを改善することで、組織全体の生産性向上に繋げることができます。

おわりに

この記事では、Google Workspace の新機能である NotebookLM の基本的な使い方を、実際に手を動かしながらご紹介しました。

ご覧いただいたように NotebookLM は非常に簡単に使い始めることができます。
ノートブックを新規作成し、資料をアップロード、もしくは Google ドライブ、リンク、テキストからソースを追加し、あとはチャットで質問するだけです。
AI が瞬時に資料の内容を分析し、質問に答えてくれたり、要約を作成してくれたりと、まるで優秀なコンシェルジュを傍らに置いているかのような感覚を味わえます。

さらに、Studio 機能を活用すれば、音声で概要を把握したり、メモを追加して情報を整理したり、学習ガイドやよくある質問を自動生成したりできます。
これにより、資料の理解を深め、分析を加速させることができます。

2025 年 1 月より、Google Workspace では、NotebookLM が標準機能として提供されています。
この機会にぜひ、NotebookLM Plus をご活用いただき、業務効率化や生産性向上にお役立てください。

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6 - GoogleのAIチャットサービス「Gemini」とは?

Gemini について知りたい情報をまとめました。

Gemini 全体がわかるガイド

Gemini とは

Gemini は、Google が開発した AI 技術の総称です。
Google 内には Gemini の名前のついたサービスがいくつか存在しており、関係がやや複雑です。
この記事では、Gemini に関連するサービスをざっくり整理・理解することを目標として、それぞれについて解説していきます。

なお、この記事にまとめている内容は 2024年11月末 時点での内容です。
AI に関する技術やサービスは日進月歩で進化しているため、ご覧のタイミングによっては情報が古くなっている可能性がありますことを予めご注意ください。

Gemini ファミリーの整理

Google は 以前から AI サービスを提供していましたが、2023 年 5 月の Google I/O を機に AI に関するサービスの名称を Gemini に統一しました。
それ以前は個別の名前で呼ばれていたサービスが、Gemini に統一されたことで「これは AI サービスだ」ということが名前でわかるようになりましたが、似たような名前のためやや区別しづらいものになっています。
ここでは、それらを簡単に大別し、それぞれが区別できるように説明していきます。

すべての基盤 Gemini(大規模言語モデル)

すべての Gemini サービスは、Gemini というマルチモーダル大規模言語モデルを基盤としています。
リンク:Google Cloud - 世界クラスの Google AI を活用した大規模言語モデル

Gemini は、テキストだけでなく画像や音声も理解できる点が特徴です。
これにより、従来のテキストベースの AI を超えて、より高度なタスクをこなすことが可能となっています。
テキスト生成、テキスト要約、機械翻訳、質問応答などの自然言語処理タスクに優れているだけではなく、コード、画像、音声、動画などのデータでもトレーニングが可能であり、幅広い用途に対応できています。

Gemini を利用したサービス群

大規模言語モデルの Gemni を用いた Gemini ファミリーには、いくつかのサービスがあります。
サービス内容については、日々拡充されているため最新情報を確認するようにしてください。

  • Gemini アプリ(対話型AI):
    対話型の生成AIサービス。(旧称 Bard )
    自然言語を用いた対話形式で利用できるAIアプリです。
    テキストでの対話だけでなく、画像や音声を使った入出力にも対応しています。
    旅行の計画を立てる、小説のアイデアを練る、プログラミングの質問をする、プレゼンテーション資料を作成するなどに適しています。
    画像をアップロードしてその内容について質問したり、音声で質問して回答をテキストや音声で受け取ったりすることが可能です。
    この記事内では、マルチモーダル大規模言語モデルの Gemini と同名であるため、区別するために「Gemini アプリ」の表記としています。
    大規模言語モデルの Gemini と区別する必要がない場合は、「Gemini」と呼ばれていることもあります。
    リンク:https://gemini.google.com/

  • Gemini for Google Workspace
    Google Workspace のアプリケーションに Gemini の機能を統合するサービスです。(旧称 Duet AI for Google Workspace)

    Google Workspace に組み込まれており、Business Standard 以上のプランであれば追加料金なしで利用することができます。
    Gmail でメールの文面を自動生成する、ドキュメントで文章を校正する・要約する、スプレッドシートでデータ分析を行う、スライドでプレゼンテーション資料を作成するといったことができます。

    対象ツールの画面上で Gemini の機能が利用可能になるため、各サービスを効率的かつ創造的に活用できるようになります。
    リンク:Google AI によるアップグレードで仕事を効率化

    以前は、Google Workspace とは別に契約が必要なアドオンとして存在していました。
    2025年1月に Google Workspace の基本機能に組み込まれたため、現在はアドオンを新たに購入することはできません。

  • Gemini for Google Cloud
    Google Cloud の各サービスに Gemini の生成 AI 機能を組み込むサービスです。(旧称 Duet AI)
    Google Cloud 上で、テキスト生成、要約、画像理解などをはじめ、コード補完やエラーの説明、BigQuery での SQL クエリの生成などを可能にします。
    リンク:https://cloud.google.com/products/gemini?hl=ja
    リンク:https://cloud.google.com/products/gemini/pricing?hl=ja

  • Vertex AI
    Google Cloud が提供する機械学習プラットフォームです。
    機械学習モデルの構築、トレーニング、デプロイなど、機械学習プロジェクトのライフサイクル全体をサポートします。
    Gemini を含む様々なモデルを利用可能で、企業は自社のデータを使ってカスタムモデルを構築したり、Googleが提供する事前学習済みモデルの活用が可能です。
    医療画像の診断支援、金融市場の予測、創薬研究、顧客ターゲティング といった高度な機械学習を行う際に使用されます。
    リンク:https://cloud.google.com/vertex-ai?hl=ja

<Gemini ファミリーについての簡単まとめ>

直接活用対象プラットフォームを強化
Google CloudGemini(大規模言語モデル) Vertex AIGemini for Google Cloud
Google Workspace-Gemini for Google Workspace
その他Gemini アプリ(Gemini API、Gemini SDK※)

※開発者が Gemini の機能を自身のアプリケーションに組み込むための API とソフトウェア開発キット。

モデル・バリエーションの整理

Gemini には、モデルとバリエーションがあり、それぞれ性能や得意なタスクが異なります。
各モデル・バリエーションの特徴を理解し、用途に合わせて最適なものを選択することが重要です。

一般的に、高性能なモデルは複雑なタスクに対応できますが、処理速度が遅くなる傾向があります。
一方、軽量なモデルは処理速度が速いですが、対応できるタスクが限られます。
また、高性能になるほど、利用料金も高くなる傾向があります。

基盤モデル

Gemini の 基盤モデルは、日々開発が進められ、2025年2月には Gemini 2.0 がリリースされました。
モデルはバージョンアップされ、より高性能化が進んでいます。
利用可能なモデルについては、最新の情報を必ず確認するようにしてください。 リンク:Google モデル

バリエーション

Gemini の各モデルには、さらにいくつかのバリエーションがあります。
これらのバリエーションは、主に以下の点で異なります。

  • 処理能力と速度
  • 用途
  • 利用料金

以下の情報は、2025年2月 時点の情報です。
必ず最新情報をご確認ください。

  • Pro:コーディングパフォーマンスと複雑なプロンプトに対応する最高モデル。
  • Flash:高速・高性能で、ユーザーの問題解決をスムーズに実行。
  • Flash Thinking:高速で高性能な処理能力を持ち、複雑な問題を解決するだけでなく、ブラックボックス化しやすい思考過程を人間に開示することが可能。
  • Flash-Lite:最もコストパフォーマンスに優れたモデル。

リンク:Google DeepMind - Gemini Models
(参考:以前のバリエーション には、Ultra/Pro/Flash/Nano の4つがありました。)

より「優れている」のは?

Gemini 2.0 は、Gemini 1.5 より後にリリースされており、同じバリエーションであれば Gemini 1.5 より高性能であると言えます。
ただし、Gemini 2.0 であれば必ず Gemini 1.5 より優れているとは限りません。
AI としての性能は、モデルだけではなくバリエーションによる影響も大きいためです。

利用するモデル・バリエーションは、その時のモデル・バリエーションを利用目的に合わせ適切に選択する必要があります。

エディション/料金体系

それぞれのサービスについて、モデルやエディションについて見ていきます。

Gemini アプリ(対話型AI)

Gemini(無料版)と Gemini Advanced の2つのエディションがあります。
高度な機能や大規模な利用を検討している個人ユーザーや小規模チームには、Gemini Advanced がおすすめです。
Google Workspace の Business Standard 以上のプランを契約することで、 Gemini Advanced を追加料金なしで使用することが可能です。

エディションGemini(無料版)Gemini Advanced
モデルGemini 2.0 FlashGemini 2.0 Pro など高性能モデル
利用料金無料2,900円/月
性能・文章やリストの作成、計画の立案、新しい知識の習得、画像の生成をサポート
・一度に複数の Google アプリから情報を引き出してまとめて処理する
・最大1,500ページまでアップロードして内容を把握・分析
・コード リポジトリをアップロードして、より賢く効率的にコーディング
・2 TB の Google One ストレージ特典
・Gemini in Gmail、Gemini in Google ドキュメント*などで、使い慣れた Google アプリとシームレスに連携(一部の言語にのみ対応)

Gemini for Google Workspace

Google Workspace に組み込まれているため、Business Standard 以上の契約があれば追加料金なしで利用することができます。
Business Starter をご契約の場合は、一部の機能がお使いいただけません。

リンク:Gemini for Google Workspace

Gemini for Google Cloud

Standard と Enterprise の2つのエディションがあります。

独立してページがある Gemini Code Assist と Gemini in BigQuery についてまとめています。
リンク:Gemini for Google Cloud の概要
リンク:Gemini for Google Cloud の料金

Gemini Code Assist

エディションStandardEnterprise
ユーザーあたりの月額ライセンス料金
(カッコ内は12ヶ月契約の場合の料金)
$22.80
($19)
$54
($45)
性能コード補完、コード生成、IDE でのチャット ローカルコードベースの認識
コード変換 Colab Enterprise の Gemini(Vertex AI)
Gemini in Databases Gemini in Firebase セキュリティと生成AIの補償
Standard の性能に加えて コードのカスタマイズ
Gemini in BigQuery※
Gemini in Apigee Application Integration の Gemini

※Gemini Code Assist の Enterprise エディションには、Gemini in BigQuery が含まれていますが、一部の機能は含まれません。

Gemini in BigQuery

エディションGemini Code Assist EnterpriseBigQuery Enterprise Plus
ライセンス料従量課金制※従量課金制※
性能SQLコード生成、説明
Python コード生成
データキャンバス
データインサイト
データセットのパブリッシュとサブスクライブ
Assist Enterprise の性能に加えて システム最適化と管理者の生産性向上機能
コンプライアンス管理
データ共有の下り(外向き)制御、データクリーンルームのサブスクリプション

※料金は https://cloud.google.com/bigquery/pricing?hl=ja

Vertex AI

特定のエディションはなく、サービスやモデルごとに機能や価格(従量課金制)が設定されています。
詳しい機能や料金情報は、Vertex AI における生成 AI の料金 をご参照ください。

まとめ

この記事では Gemini について、概要から各サービスの詳細や料金体系について解説しました。
複雑に絡み合う Gemini のサービス群ですが、それぞれ異なる分野と機能を持っていることがお分かりいただけましたら幸いです。

Gemini は現在も開発が進められており、今後さらに強力なモデルや革新的な機能が追加される可能性があります。
今後、Gemini はさらに進化し、より高度な推論能力や、より複雑なタスクへの対応能力を獲得していくでしょう。

また将来的には、動画や 3D モデルなどのより多様なデータ形式を理解し、生成できるようになる可能性も秘めています。
今後さらに進化を遂げて、よりよいサービス・機能が充実してくることが期待されます。

ぜひ、この記事を参考に、それぞれのサービスの特徴を理解し、自分に合った Gemini を見つけて、積極的に活用してみてください。

お問い合わせ・ご相談はこちら

7 - Google Workspace 基本料金改定とAI機能搭載 - あなたのビジネスを加速するチャンス!

Google Workspace の Business エディションで、AI 機能 がアドオンなしで利用可能になりました。

概要

2025年1月16日に、Google Workspace 向け Gemini が提供開始されると Google 公式より発表がありました。
これにより、Google Workspace の Business エディションで、Gemini の機能 がアドオンなしで利用可能になりました。
リンク:Google Workspace Blog - Google Workspace enables the future of AI-powered work for every business

これまでは、Google Workspace で Gemini の機能を使用する場合、別途料金が必要でしたが、これからはGoogle Workspaceの基本料金内で利用できるようになります。

Google Workspace 料金の価格改定とスケジュール

AI 機能の追加と同時に、サブスクリプションの料金改定も行われます。
新料金は 2025年3月17日より適用されます。
すでに Google Workspace Business エディションをご契約のお客様におきましては、次回の更新タイミング以降に新料金が適用となります。 (例:年間支払いプランで、次の更新が7/1の場合、更新前まで料金変更なし、7/1の更新移行は新料金で請求)

Gemini Business/Enteprise のアドオンをご契約されていたお客様におきましては、2025年1月31日より請求が自動的に停止されます。
(払い戻し等に関しては、別途Googleからのアナウンスをお待ちください。)

改訂前改定後
Business Starter680円800円
Business Standard1,360円1,600円
Business Plus2,040円2,500円
Gemini Business
(Gemini for Google Workspace アドオン)
2,260円0円
Gemini Enteprise
(Gemini for Google Workspace アドオン)
3,400円0円

基本料金は値上げとなってしまいますが、数千円かかっていた AI 機能が数百円で利用可能になるため、トータルでは損のない改定になっています。

(Business Standard の場合の改定イメージ)
実質値下げ

搭載されるAI機能

多くのGoogle WorkspaceサービスでAI機能が利用可能になります。
Gemini Advanced、NotebookLM Plusなどの高度なAI機能も利用可能になり、GoogleのAIサービスを手軽に利用できます。
Business Starterプランでは利用できない機能もあるため、注意が必要です。

サイドパネル

Gmail、ドキュメント、スプレッドシート、Meet、チャットなどの画面を開いたまま、Google Workspace 上で使用できる Gemini の機能です。
各サービスの画面の右側に表示され、プロンプト(質問や指示)を入力することで、Gemini から回答を得ることができます。
サービスに特化した機能が設定されており、Gmail であれば、受信メールの内容を要約、返信メールの草案の作成などができます。

Gemini Advanced

通常の Gemini の上位版です。
高度なモデルを使用しており、より効率的な処理を可能です。
また、Gems(カスタム AI エキスパート機能)も作成・利用可能になり、業務での効率化が期待できます。

NotebookLM Plus

アップロードした資料の中から回答を生成する NotebookLM の上位版です。
議事録、製品仕様書、取扱説明書などをアップロードすれば、膨大な資料の中から必要な情報へ素早くアクセスすることができます。
無料版と比較して、取り込むことのできる資料の数や、質問のやり取りの回数の制限が大幅に増加し、NotebookLM の回答のテイストのカスタムができるなど、利便性が大きく向上しています。

AIと協働する未来

今回のアップデートは、Google Workspace への AI 機能搭載という形で、Google が AI の一般化を本格的に推進していることを明確に示しています。
今後、AI の業務活用はデジタル社会の新たなスタンダードとなるでしょう。

「AI には興味がない」「なんだか怖い」と感じる方もいるかもしれませんが、ネガティブに捉えれば、今後は AI との協働が半ば強制的に求められる時代が到来すると言えます。
既存料金にわずかな追加費用でAI機能が利用できる今、活用しない手はありません。

今回ご紹介した AI 機能はほんの一部であり、お客様の業務内容によっては、提供側も想定し得ない画期的な活用方法が見つかる可能性も秘めています。
基本料金の改定により、AI を活用しないことは機会損失とも言える状況です。
ぜひ実際に AI に触れ、試して、お客様ならではの協働の道を探ってください。

もちろん、最初から全てを AI に任せるのは難しいかもしれません。
「こんなことはできる?」「これを実現したいけど方法はある?」「既存のルールを AI にも適用させるには?」など、AI 機能の利活用に関する疑問や要望がございましたら、お気軽にご相談ください。

8 - AppSheet アプリの共有

AppSheet の共有について、組織内、組織外、不特定多数の3つの方法についてまとめました。 アプリを作成したり、デプロイしたアプリを使ってもらう場合にお役立てください。

AppSheet アプリの共有

ノーコードで簡単にアプリを作成できる AppSheet では、たいていの場合はアプリを作成したら、実際に使用することになるでしょう。
作成者だけが使用する場合は、そのままアプリを使用できます。
しかし、他のユーザーにも使用してもらう場合は、AppSheet アプリを共有する必要があります。
AppSheet アプリを共有することで、チームで協力して作業を進めたり、情報を共有したりすることができます。
この記事は、AppSheet でアプリを作成し、共有する方法を知りたい方を対象としています。

また、この記事では、AppSheet の有料版を前提に説明しています。
無料版では、共有できるユーザー数が制限されておりますのでご注意ください。
リンク:AppSheet を無料で使用する(プロトタイプと個人用)

AppSheet の共有権限の種類

AppSheet で作成したアプリは、他人と共有することが可能です。
普通に作成しただけでは、アプリにアクセスできるのは作成者だけです。
他のユーザーにアクセスさせるには、共有機能を使ってアクセス権を付与する必要があります。

基本的な共有権限

AppSheet の権限は、「Owner」「Edit definition」「View definition」「Use app」の4種類があります。

Owner(管理者)

アプリの作成者に自動的に付与される管理者権限です。
2024年11月現在、オーナー権限を他のユーザーに移行することはできません。
オーナーは、アプリのすべての機能を使用でき、他のユーザーに権限を付与することができます。

Edit definition(編集権限)

アプリの編集権限です。
アプリを操作すること、アプリの編集画面を使用すること、保存すること、デプロイすること、ユーザーの権限を設定することができます。
共有ボタンから、共有用のリンクと、権限が設定されているユーザーの一覧をコピーできます。

View definition(閲覧権限)

アプリの閲覧権限です。
アプリを使用すること、アプリの編集画面を閲覧することができます。
​​共有ボタンから共有用のリンクをコピーすることはできますが、ユーザーの権限を設定することはできません。

Use App(使用権限)

アプリの使用権限です。
共有されたリンクからアプリを操作することが可能です。
アプリの編集画面を閲覧したり操作したりすることはできません。

アプリを共有する際の注意点

必要なライセンス

ここでは、Google Workspace アカウントで AppSheet Core ライセンスを使用している場合を例に説明します。
AppSheet アプリを共有する場合、共有相手にも AppSheet Core または Enterprise のライセンスが必要です。
(AppSheet の無料版では、共有できるユーザー数が制限されます。)

Google Workspace を使用していない(AppSheet Core ライセンスを未所持)ユーザーと共有する場合は、以下のいずれかの方法があります。
どれを選択するかは、共有相手の状況や、アプリの利用規模、予算などを考慮して決定する必要があります。

  • 共有相手に AppSheet の Starter または Core のライセンスを購入してもらう
  • 共有相手に AppSheet のライセンスがついた Google Workspace のバージョンを契約してもらう
  • 外部共有用ライセンス(Publisher Pro)を用意して相手に適用する

データソースへのアクセス

アプリの編集画面を閲覧できる権限があっても、データソースを閲覧するには、別途データソースへのアクセス権限を設定する必要があります。
ユーザーにアプリのレビューを行ってもらう場合など、データソースも確認できた方が良い場合は、AppSheet だけでなく、データソースの共有権限も指定してください。

組織内でアプリを共有する場合

共有相手が Google Workspace 組織内ユーザーである場合は、Google Workspace のファイル共有と同様にメールアドレスを設定することで共有することができます。

①対象のAppSheet のアプリ編集画面の右上部にある Share ボタンを押す。
Shareボタン

②ポップしたウィンドウに情報を入力し、送信する。 ユーザーと共有する

③共有相手に権限が付与される。
メールの通知を有効化した場合、noreply@appsheet.com から「(アプリ名) shared_by (作成者メールアドレス)」という件名でメールが届きます。
共有が適用されるまで時間がかかる場合があります。

組織外とアプリを共有する場合

組織外ユーザーとのアプリ共有することができます。
ただし、AppSheet のセキュリティ設定を無効化する必要があります。
AppSheet のセキュリティ有効化されている場合、AppSheet の共有画面上でメールアドレスを入力しても、組織外へアプリを共有することはできません。
セキュリティを緩和することになるため、必ず AppSheet の利用状況やルールを社内で確認してください。
ここでは、共有相手が AppSheet ライセンスを所持している前提で手順を説明します。

<管理コンソール>
管理コンソール にアクセスし、左メニューの アプリ>Google Workspace>AppSheet を選択する。
②「AppSheet Core ライセンスのセキュリティ設定」を「AppSheet Core セキュリティを無効にする」に設定し、保存する。
管理コンソールでセキュリティを無効にする

<AppSheet>
(以降の手順は 組織内でのアプリ共有 と同様です)
①対象のAppSheet のアプリ編集画面の右上部にある Share ボタンを押す。
②ポップしたウィンドウに情報を入力し、送信する
③共有相手に権限が付与される。

不特定多数とアプリを共有する場合

AppSheet アプリを不特定多数と共有するには、「Enterprise Plus サブスクリプション」または「AppSheet Publisher Pro サブスクリプション」のいずれかのサブスクリプションの購入が必要です。

どちらもユーザー数に制限はありません。
機密データを含まないアプリを不特定多数に公開する場合、AppSheet Publisher Pro を選択します。
例えば、公開イベントの案内、市街地案内、レストランのメニュー表示などのアプリが考えられます。

Enterprise Plus サブスクリプションを契約している場合は、Publisher Pro サブスクリプションは不要です。
Starter プランまたは Core プランを契約している場合は、別の AppSheet アカウントで Publisher Pro サブスクリプションを購入する必要があります。

Enterprise Plus サブスクリプション

Enterprise Plus サブスクリプションは、高度なセキュリティ、チーム管理、ガバナンス制御、機械学習モデリング、高度な認証、チームコラボレーションなど、非常に高機能なサブスクリプションです。
アプリに対して高度な機能を要しており、組織内あるいは特定のフレームでアプリを活用したい場合に適しています。
費用は 1ユーザーあたり月額 $20 となっており、やや高額です。

AppSheet Publisher Pro サブスクリプション

AppSheet Publisher Pro サブスクリプションは、アプリを不特定多数に公開・共有することに特化したプランです。
月額 50 ドルで、ユーザー数に制限はありません。
作成したアプリに高度な機能は不要で、多くの人に使ってもらうことを優先する場合に適しています。

共有を解除する

①対象のAppSheet のアプリ編集画面の右上部にある Share ボタンを押す。
②共有ウィンドウが表示されるので、共有を解除したいユーザーの権限選択ボタンを押し、「Remove」をクリックする。
③変更が適用される。
適用されるまで時間がかかる場合があります。
共有を解除する

おわりに

この記事では、AppSheet アプリを共有する方法について、組織内、組織外、不特定多数の3つのケースに分けて解説しました。

AppSheet の共有機能を活用することで、作成したアプリを他のユーザーに利用してもらい、業務効率化や情報共有を促進することができます。
共有する際には、それぞれのケースに応じて適切な権限設定やセキュリティ対策を行うようにしましょう。

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9 - 「いつでもどこでも」を実現!オンプレミスからクラウドへ

Google Workspaceへの移行で、ファイル共有の効率化、セキュリティ強化、場所を選ばない柔軟な働き方、そしてコスト削減を実現しませんか? クラウド移行のステップ、ポイント、メリットを分かりやすく解説します。

クラウド、はじめてみませんか

2000年代から加速した日本のデジタル化は、2010年代半ばにはIoTが広く普及し、2020年代の今では、データの利活用が企業の成長を左右する時代となりました。
特にコロナ禍は、その流れをさらに加速させ、デジタル技術の重要性を改めて認識させたと言えるでしょう。

しかし、この目まぐるしいデジタル化の速度に思ったように追いつけず、従来のオンプレミス環境に課題を感じている企業様も多いのではないでしょうか?

「以前は問題なかったのに、ファイルサーバーの容量が常にパンク寸前…」
「リモートワーク導入を検討したが、セキュリティやファイル共有の問題が山積みで、何から手をつければいいのか分からない…」

このような悩みを抱える企業担当者の方も多いのではないでしょうか。
この記事では、オンプレミス環境が抱える具体的な課題と、クラウドサービスの代表格である Google Workspace への移行によってそれらがどのように解決されるのかを詳しく解説します。

Google Workspace とは

Google Workspace とは、Google社が企業向けに提供しているオンラインのアプリケーションセットです。
メール、文書作成、表計算、チャット、オンライン会議など、ビジネスに必要なあらゆるツールが一つのパッケージにまとまっています。
特に、リアルタイムでの共同編集や共有機能が充実しており、チームでのコラボレーションを促進し、生産性を向上させることを目的として設計されています。

Google Workspace には、さまざまなエディションがあり、企業の規模やニーズに合わせて最適なプランを選択できます。
この記事では、多くの企業で利用されている Business エディション を中心に解説していきます。
(エディションや機能について詳しく確認したい方は こちら をご覧ください。)

オンプレミスでの困りごとは Google Workspace で解決!

かつては社内ネットワーク内で、データを安全かつ高速に共有できる画期的な仕組みだったオンプレミス環境ですが、デジタル化と働き方の多様化が加速する現代において、その限界が露呈しつつあります。

ここでは、多くの企業が直面するオンプレミスの代表的な困りごとをいくつかピックアップしました。
そして、Google Workspace がそれらをどのように解決できるのかを具体的に解説します。
もしかしたら、共感できる悩みがあるかもしれません。

ファイルの共有

課題

  • ファイルを共有する場合、相手にメールで添付して送信するか、個別にアクセス権限を設定する必要がある
    • ファイルサイズが大きいとメールに添付できない、転送に時間がかかる
    • セキュリティの問題でアクセス権限が適切に切り出せない可能性がある
  • 作業中に他のユーザーが同じファイルを操作していると、ファイルを編集できないことがある
    • 作業が滞ってしまうため、コピーを作って対応するなどの力技をして運用し、最新ファイルに競合が発生してしまうことがある

具体例

  • 容量の大きいデータを顧客に見てもらう必要があるが、社内サーバーにアクセスさせられないため、メールに添付またはデータ転送サービスを使わなければならない
  • 打ち合わせの後、議事録ファイルに追記したいことが生じたが、他のユーザーがファイルを編集中のため、「YYMMDD_議事録_追記(ユーザー名)」として別のファイルを作って保存し、後で結合しなければならない
  • 複数部署が協力して作成するプロジェクトの進捗報告書を作成する際、各部署から情報収集し、それを1つのファイルにまとめるため作業に時間がかかってしまう

解決

  • ファイル自体を送信しないので大容量ファイルでもすぐにアクセスすることができる
  • ファイルを共有する場合、共有リンクを作成することでアクセス可能になる
  • Google ドライブ にあるファイルは複数人で同時編集することが前提に作られているので、最新ファイルの競合が発生しない
    • ファイルの最新版は常に1つになるため、混乱が発生しない
    • 変更履歴は自動で保存され、過去のバージョンへの復元も容易

アクセス権限の設定

課題

  • 社内ネットワークまたはVPN経由でファイルサーバーにアクセスし、特定のフォルダにファイルをアップロードする必要がある
    • 社外やVPN構築ができない環境ではファイルにアクセスすることができない
  • 例外処理をするとネットワークのセキュリティ管理が大変になる

具体例

  • 訪問先でスマホで撮影したが、社内サーバーにアクセスできないので、一旦SDカードに保存し、帰社後パソコンにデータを転送し、社内サーバーにアップロードする
  • 営業担当者が客先で契約書を取り交わしたが、社内サーバーにアクセスできず、契約書をスキャンしてメールで送信しなければならない

解決

  • Google ドライブにファイルを保存すれば、どんなネットワーク環境でもアクセスできる
  • ネットワーク環境に縛られないため、リモートワーク・テレワークの環境を用意することができる
  • ファイルへのアクセス権限が、ファイル単位、ユーザー単位で細かく設定できるのでセキュリティを維持したまま利便性を高められる

ファイルストレージの管理

課題

  • ファイルサーバーの容量には限りがあるため、定期的に不要なファイルを削除したり、ストレージを増設したりする必要がある
  • ソフトウェアをインストールする必要があるため、バージョン管理やアップデート作業が発生する
  • ハードウェアの故障や災害発生時のデータ消失リスクがある

具体例

  • ファイルサーバーの容量が逼迫してきたため、社内ユーザーに対し不要なファイルを削除させたが、それでも空き容量が足りないため、費用をかけてサーバーを増設しなければならない
  • ファイルサーバーがエラーを出したため、一旦再起動することとなり、その間のファイルサーバー上のファイルが操作できずに業務が滞ってしまう
  • 大規模な災害の発生で社内サーバーが破損してしまい、データが消失してしまった

解決

  • ミニマムのエディションでも一人あたり 30 GB のストレージが用意されているので容量を気にする必要がない
    • プランによっては無制限のストレージを利用することも可能
    • 組織内でストレージをプールできるため、ユーザー間でストレージ利用に差があっても損をしづらい
  • Webブラウザ上で動作するため、常に最新バージョンが利用可能
    • バージョン管理やアップデート作業が不要になる
  • クラウド上にデータが保管されるため、ハードウェアの故障や災害発生時でもデータ消失のリスクが低くなります。
  • 強固なセキュリティ対策が施されているため、安心してデータを保管できます。

オンプレミスソフトのアップデート

課題

  • オンプレミスで利用するソフトウェアは、定期的なアップデートが必要
  • アップデート作業には時間がかかり、その間業務が止まってしまう
  • 最新バージョンへのアップデートを怠ると、セキュリティリスクが高まる

具体例

  • 情報システム部門は、常に最新のセキュリティパッチを適用するために、常にソフトウェアのアップデート作業に追われている
  • 大規模なアップデートの際には、システム全体の停止が必要となり、業務に支障が生じる
  • 古いバージョンのソフトウェアを使い続けていると、サイバー攻撃の標的になりやすい

解決

  • 常に最新バージョンが自動的に適用される
  • アップデート作業が不要になり、情報システム部門の負担を軽減できる
  • 最新のセキュリティ対策が常に適用されるため、セキュリティリスクを低減できる

オンプレミス環境の課題も、Google Workspace に移行することで解決できることが数多くあります。
課題を解決するだけでなく、運用コストの削減、事業の変化への対応力向上、コラボレーション促進、自動化による業務効率化、高度なセキュリティ対策など、より効率的かつ快適な働き方を実現することもできます。

クラウド移行する際のステップ

Google Workspaceは、業務効率化やコスト削減を実現する強力なツールですが、万能薬ではありません。
準備不足のまま移行を進めると、かえって混乱を招き、業務に支障をきたす可能性もあります。

ここでは、オンプレミスからGoogle Workspaceへのスムーズな移行を実現するために必要なステップと、各ステップにおける重要なポイントを解説します。

現状分析

まず、クラウドの移行目的を確認します。

  • 移行の目的と目標設定:
    なぜクラウドに移行するのか、移行によってどのような効果を期待するのかを具体的に定義します。
    コスト削減、業務効率化、セキュリティ強化など、優先順位を明確にすることが重要です。
  • 既存システムの棚卸し:
    現在のオンプレミス環境で使用しているシステムやデータを洗い出し、クラウド移行の対象となるものを選定します。
    サーバーの種類と台数、ストレージ容量と利用状況、ネットワーク構成、使用しているソフトウェアとライセンス情報、バックアップ体制、セキュリティ対策 など、現状を分解して確認します。
  • Google Workspaceエディションの選択:
    目標達成に必要な機能や予算に合わせて、最適な Google Workspace エディションを選択します。

移行計画

現状分析を踏まえ、具体的な移行計画を策定します。

  • 移行対象の選定:
    クラウドに移行するシステムやデータ、移行しないものを明確に定義します。
  • 移行方法の検討:
    移行できるデータとできないデータを分け、移行できる場合はその方法を、移行できないデータはどのように対応するかを検討します。
  • スケジュール策定:
    移行作業のスケジュールを立て、各作業の担当者や必要なリソースを割り当てます。
  • リスク評価と対策:
    移行に伴うリスクを洗い出し、対応策を事前に準備します。
  • データ移行計画:
    データの移行方法、移行期間、データクレンジングなどを具体的に計画します。

移行

計画に基づいて、実際の移行作業を行います。

  • データ移行:
    オンプレミス環境からクラウド環境へデータを移行します。
  • システム構築:
    Google Workspace の各種サービスを設定し、必要に応じてカスタマイズを行います。
  • テスト:
    移行したシステムやデータが正常に動作するかをテストします。
  • ユーザー教育:
    新しい環境での操作方法や利用ルールなどをユーザーに周知徹底します。

運用・最適化

データを移行した後も継続的な最適化が重要です。

  • セキュリティ対策:
    アクセス権限の設定、二段階認証の導入など、セキュリティ対策を徹底します。
  • ポリシー設定:
    ファイル共有やデータ管理に関するポリシーを設定し、組織全体で適切に運用されるようにします。
  • パフォーマンス監視:
    システムのパフォーマンスを定期的に監視し、必要に応じて改善を行います。
  • ユーザーサポート:
    ユーザーからの問い合わせに対応し、問題解決を支援します。

クラウド移行は、一度で完了するものではありません。
継続的な運用と最適化を通じて、Google Workspace のメリットを最大限に引き出し、組織の成長に貢献しましょう。

クラウド移行する際のポイント

オンプレミスからクラウドに移行する際には、いくつかの重要なポイントを考慮する必要があります。
費用、セキュリティ、移行の手間やリスク、そして新しいツールの習得コストなど、様々な要素が絡み合います。
Google Workspaceは、これらのポイントをクリアし、スムーズな移行を支援する機能を備えています。

費用

Google Workspace は単なるデータサーバーではなく、オフィススイート(オンラインのアプリケーションセット)も内包しています。
そのため、Google Workspace を契約すれば、メールサービス、ビデオ通話サービス、チャットサービス、カレンダー、オフィスツール(Word、Excelなど)、端末管理 などのサービスも利用することが可能となります。
それぞれを個別に有料プランで利用している場合、契約状況によっては、Google Workspace に一本化することで、個別の有料プランの合計金額と比較して安価に抑えられることもあります。

セキュリティ

Google Workspace では、セキュリティとデータ保護を最優先に考え、以下のような取り組みを行っています。

  • データセンターへの侵入に関する物理的に強固な保護
  • データセンターへの安定した電力供給システム
  • ネットワークに対する多層防御
  • 転送中のデータと保存データの暗号化
  • データの分散による災害や障害の影響最小化

また、ユーザー自身がセキュリティとコンプライアンスを改善できるように、2段階認証とセキュリティ キー、シングルサインオンなどのアクセス認証、メール関連のアセット保護、Google Workspace のセキュリティ設定の構成などの機能も制御できるようになっています。

Google と同様のセキュリティレベルを自社で構築しようとするのは、多大なコストと専門知識が必要となり、現実的ではありません。Google Workspace を利用することで、世界トップレベルのセキュリティを享受できます。

移行の手間・リスク

オンプレミス環境をクラウドに移行する場合、データ移行の手間とリスクです。
データ移行にかかる時間はデータの量に依存します。
データ量が多い場合、移行計画を立てる必要があります。
また、データやシステムによっては、Google Workspace へ移行できないものもあります。
移行前には、ご利用のデータの種類やシステムの動作環境について確認することを強く推奨します。

新たな知識の覚え直しコスト

Google Workspace を使用したことがない場合、新たに操作方法などを覚える必要があり、一時的な負担が生じる可能性はあります。
しかし、場所や環境、デバイスを問わずにオールインワンで利用できる Google Workspace は、その負担を補って余りあるメリットがあります。
何より、複数のツールを個別に利用し、都度ログインし、使い方を覚えるといった煩わしさから解放されるメリットは非常に大きいでしょう。
さらに、Googleはユーザーフレンドリーなインターフェースと豊富な学習リソースを提供しており、スムーズな移行を支援します。

また、Google Workspace を導入したからといって、従来の Office ファイルなどを一切やめる必要はありません。
データサーバーとして Google ドライブに Office ファイルを補完し、Office と併用しながら段階的に導入することで、移行リスクを軽減することも可能です。

おわりに

この記事では、オンプレミス環境が抱える様々な課題と、Google Workspaceへの移行によってそれらがどのように解決されるのかを解説しました。
クラウドへの移行は、単なる IT インフラの変更ではなく、働き方やビジネスそのものを変革する大きな一歩です。

ファイル共有の効率化、セキュリティ強化、場所を選ばない柔軟な働き方、そしてコスト削減。
これらのメリットは、あなたの会社の成長を加速させ、新たなビジネスチャンスを生み出す可能性を秘めています。

「でも、クラウド移行って難しそう…」「費用対効果は本当に見合うの?」そんな不安をお持ちの方もいるかもしれません。
私たち FreeGufo は、特に中小零細企業のクラウド移行を支援してきた実績とノウハウがあります。
Google Workspace の導入はもちろん、アプリ開発などの専門知識も活かし、お客様のニーズに合わせた最適なソリューションをご提案します。
ぜひお気軽にお問い合わせください。

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10 - Google Workspaceのラベル機能でファイル管理を効率化 ラベルの設定方法の解説

Google Workspace管理者向けに、ラベルの作成・管理方法を分かりやすく解説!ラベル作成時の注意点、手順、編集・削除、デフォルト値の設定、権限設定などを詳しく説明しています。

Google Workspace のラベル機能、活用できていますか?
ファイルの整理や検索に役立つ便利な機能ですが、その設定方法がよくわからないという方もいるのではないでしょうか。

この記事では、Google Workspace 管理者の方に向けて、ラベル機能を最大限に活用するためのラベルの作成・管理方法を分かりやすく解説します。
(ラベルの機能については「Google Workspace のラベル機能でファイル管理を効率化」の記事をご参照ください。)

ラベルの作成

ラベル作成時の注意

  • ラベルの作成には「分類ラベルを管理」の管理者権限が必要です。
  • 各項目は自動的に下書き保存されます。
  • ラベルを編集する画面から公開することができますが、公開後は項目種別を編集できません。
  • 作成内容は自動保存されるため、編集途中にブラウザを閉じても問題ありません。

手順

  1. 管理コンソール >セキュリティ>アクセスとデータ管理>データ分類>ラベルマネージャー へ移動します。
  2. ラベルマネージャーのページ右上「+ 新しいラベル」をクリックします。

新しいラベルの作成

  1. ラベル名を入力します。(例:機密区分、プロジェクト名、契約書など)
  2. 有効にするアプリをチェックします。
    「ドライブとドキュメントで「(ラベル名)」ラベルを有効にしますか?」と表示されるので [有効にする] を選択します。

ラベル名と有効化するアプリの設定

  1. 「ドライブとドキュメント」のチェックボックスをオンにすると、その下にある「ファイルをコピーする際の動作」がアクティブになります。
    ラベルのついたファイルをユーザーがコピーする際に、ラベルの値をどうするかを以下の3つから選択します。
    - 常にラベルをコピー:ユーザーがラベルをコピーできなくてもラベルと値がコピーされる
    - ユーザーが適用できる場合にラベルをコピー:ユーザーがラベルを適用できる場合にのみラベルと値がコピーされる
    - ラベルをコピーしない:ユーザーの設定に関わらずラベルと値はコピーされない

  2. 「項目を追加」をクリックし、バッジラベルの場合は「バッジリスト」の「+」を、標準ラベルの場合は適した種別の「+」を選択します。
    (バッジラベルは、バッジラベルは、組織全体で1つだけ作成できる特別なラベルで、重要な情報を目立たせるために使用すると効果的です。詳しくは Google Workspace のラベル機能でファイル管理を効率化」の記事をご参照ください。)

    項目は右画面のプレビューで確認でき、全ての種類を合わせて最大10個まで指定可能です。
    選択後は、右下の「項目の追加」をクリックします。

項目の追加

  1. 「ラベルを編集」のページに戻ります。
  2. 「項目」セクションに追加した項目が表示されているのでクリックして展開します。

項目の編集

  1. 項目名を入力します。(例:機密レベル、プロジェクト名、契約相手など)
    対象のオプションの項目が必須の場合はチェックボックスを有効化します。
  2. オプション名、バッジの色、オプションの説明を編集します。
    a. バッジリストの場合
    i. オプション名、バッジの色、オプションの説明(任意)を編集します。
    ii. オプションの順序は、Google Workspace の一部のポリシーで優先順位として使用されることがあります。
    そのため、選択肢は上から重要な順になるように並べておくことを推奨します。
    iii. 順序は「↑」「↓」ボタンで移動することができます。

バッジリストの設定

b. オプションリストの場合  
   i. 項目名を入力します。  
   ii. オプションの複数選択の可否、項目選択の必須かどうかを指定します。  
   iii. オプションリストで選択する選択肢を編集します。  
   iv. オプションの順序は、Google Workspace の一部のポリシーで優先順位として使用されることがあります。そのため、上から重要な順 または フローに沿った順(未着手→進行中→完了 など)になるように並べておくことを推奨します。  
   v. 順序は「↑」「↓」ボタンで移動することができます。  
c. 番号/日付/テキスト/人物 の場合  
   i. 項目名を入力します。  
   ii. 各種項目の入力が必須かどうかを指定します。  
   iii. (人物の場合)複数選択を許可するかどうか指定します。

<補足>  
      バッジリスト以外の項目は編集中に「項目の種別」から変更することができます。
  1. 公開する場合は「ラベルを編集」ページの右上の「公開」または「変更を公開」ボタンをクリックして公開します。
    編集内容は自動保存されますので、公開しない場合はここで終了です。

これで、ラベルの作成は完了です。作成したラベルは、ドライブ内のファイルに適用したり、検索条件として利用したりすることができます。

ラベルの編集・削除

ラベルには「公開」「下書き」「無効」のステータスがあります。

ラベルのステータス

  • 公開:ラベルをファイルに適用でき、検索が可能な状態
  • 下書き:ラベルをファイルに適用できず、検索にも利用できない状態
  • 無効:ラベルをファイルに適用できないが、すでに適用済みのラベルは引き続き表示され、検索が可能な状態
  • 公開済み, 新しい下書き:公開済みのラベルに下書きの部分がある状態、下書きの部分はラベルの適用も検索もできない状態
  • (削除):適用したすべてのアイテムからラベルが削除され、検索にも利用できなくなる状態

ラベルの編集

ラベルの編集は、ラベルのステータスに関わらず、分類ラベル行をクリックすることで可能になります。
ステータスの変更を行う場合、ラベル行の右にある「︙」をクリックすることで編集画面に遷移しなくても変更できます。

ラベルの削除

ラベルの削除については、ステータスによって手順が異なります。

  • 公開:ステータスを「無効」に変更してから削除
  • 下書き:分類ラベルページから直接削除可能
  • 無効:分類ラベルページから直接削除可能
  • 公開済み, 新しい下書き:ステータスを「無効」に変更してから削除

ラベルの削除の分岐

デフォルト値の設定

バッジラベルとオプションリストの項目には、デフォルト値を設定できます。
これにより、ファイル作成時やラベル適用時に自動的に特定の値が選択されるため、ユーザーの作業効率向上やラベルの一貫性確保に役立ちます。

<手順>

  1. 管理コンソール >セキュリティ>アクセスとデータ管理>データ分類>ドライブとドキュメント へ移動し、「ラベルを選択」ボタンを選択します。

デフォルト値の設定

  1. 「ラベルを追加」をクリックし、値を設定したいラベルをプルダウンから選択します。
  2. 「値を追加」でデフォルトとして設定するオプション(選択肢)を選択し、「保存」をクリックします。
  3. 右下の「続行」ボタンをクリックします。
    設定が完了すると、「ドライブとドキュメント」の画面に戻り、設定したラベルが表示されます。
  4. ラベルとデフォルト値を確認し、問題なければ「保存」ボタンをクリックして適用します。
  5. ラベルまたは初期値の設定が不要になった場合は、「ラベルの選択」画面で、大将のラベルを「×」で削除、「続行」ボタンをクリックします。
    その後再び「保存」ボタンをクリックして適用することで解除できます。

注意点

  • デフォルト値は、ラベルが自動的に適用される場合、またはユーザーが手動でラベルを適用する際に値を選択しなかった場合にのみ有効です。
  • デフォルト値は、ラベルのルールによって上書きされる場合があります。
  • デフォルト値は、バッジラベルとオプションリストの項目にのみ設定できます。日付、テキスト、人物の項目には設定できません。

ラベルの管理

作成したラベルは、必要に応じて編集・削除したり、権限範囲やデフォルト値を設定したり、他の環境へインポート・エクスポートしたりすることができます。
これらの管理機能を活用することで、組織のニーズに合わせてラベルを柔軟に運用できます。

権限設定

ラベル単位で権限の設定が可能です。
重要書類のラベルや特定のユーザグループにのみ編集権限を付与したい場合に有用です。

権限の種類

権限は以下の4種類から選択できます。

  • このラベルの表示が可能:閲覧またはコメントの権限を持つファイルで、ラベルの閲覧と検索が可能。
  • ラベルの適用と値の設定が可能:編集権限を持つファイルで、ラベルの適用、値の設定、検索が可能。
  • 制限付きアクセス:詳細な権限があるユーザーまたはグループのみラベルの使用(適用、値の設定、検索)が可能。
  • 高度な権限:特定のユーザーまたはグループに対して「ラベルの表示が可能」「ラベルの適用と値の設定が可能」のいずれかを設定できる。

手順

  1. 管理コンソール >セキュリティ>アクセスとデータ管理>データ分類>ラベルマネージャー へ移動し、対象のラベルを選択します。
  2. ページ右上にあるプレビュー表示または右上にある「その他の操作」の「権限」からラベルの権限範囲を設定します。
  3. 右下の「保存」ボタンを押して完了です。
    編集内容は自動保存されますが、変更を組織全体に反映させるには、「公開」または「変更を公開」ボタンをクリックして公開する必要があります。

ラベルの権限設定

まとめ

Google Workspace のラベル機能は、ファイル管理を効率化し、セキュリティやコンプライアンス対策を強化する上で非常に有効なツールです。

過剰な使用や不適切な管理は、かえってファイル管理を煩雑にしてしまう可能性がありますので、ラベリング規則の明確化、ルールの社内共有、定期的な見直しなどもラベル機能を最大限に活用するためには重要です。

ラベル機能を適切に運用することで、ファイル検索の効率化、情報漏洩リスクの低減、コンプライアンス遵守などを実現できます。
ぜひ、ラベル機能を活用して、あなたの組織のファイル管理を合理化してください。

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11 - Google Workspaceのラベル機能でファイル管理を効率化 便利なラベルの機能紹介

ラベルの種類、メリット、活用方法を分かりやすく解説します。検索性向上、セキュリティ強化、コンプライアンス対応など、ラベル機能を使いこなして業務効率アップを目指しましょう。

ラベル機能

Googleドライブにはラベル機能があります。
ラベル機能を活用することで、ファイルの整理、検索性の向上、セキュリティの強化など多くのメリットが期待できます。

この記事では、Google Workspace の機能の一つであるラベル機能について、機能の紹介、活用方法などをご紹介します。
ラベルの作成方法については ラベルの作成方法 の記事をご参照ください。

ラベル機能の紹介

Google Workspaceのラベル機能は、組織内のファイルを特定の条件に基づいて分類するための機能です。
ファイルにラベルを付けることで、ファイルを整理し、必要な情報を素早く見つけ出し、セキュリティポリシーを適用することができます。
ラベルは、組織内のファイル(Google ドキュメント、スプレッドシート、スライド、PDFなど)にのみ適用され、フォルダ、ショートカット、共有ドライブ、他の組織が所有するファイルには適用されません。
また、ラベルの作成や管理は、管理者権限を持つユーザーのみが行えるため、組織全体で統一されたルールに基づいてラベルを運用できます。
これにより、属人化を防ぎ、組織全体のファイル管理体制を強化できます。

ファイルのバッジラベル表示例

ラベル機能は、Google Workspace の Business Standard 以上のエディションで利用可能です。
その他のエディションでの対応状況については、Google Workspace 管理者ヘルプ - Google Workspace の各エディションの比較 をご確認ください。

ラベルの定義

Google Workspace のラベルは、ファイルに付与できるメタデータの一種です。
ファイル名や作成日時などの基本情報とは異なり、組織内で自由に定義し、ファイルの分類や管理に役立てることができます。
ラベルは最大150個まで作成可能です。

ラベルは、組織内の特定のユーザーやグループに対して、表示・編集権限を設定できます。
例えば、「機密情報」ラベルは特定の部署のメンバーのみが閲覧・編集できるように設定し、「公開情報」ラベルは組織内の全メンバーが閲覧できるように設定するといった使い分けが可能です。

  • 組織内全ユーザーが表示・編集可能:組織全体で共有する情報に適しています。
  • 特定の部署のみ編集可能:部署内で共有する情報や、特定の担当者のみが更新する必要がある情報に適しています。
  • 特定の部署のみ表示可能:機密情報や特定のプロジェクトに関する情報など、限定されたメンバーのみが閲覧する必要がある情報に適しています。

このように、ラベルの権限設定を細かく調整することで、組織内の情報管理をより安全かつ効率的に行うことができます。

メリット

ラベル機能を活用することで、ファイル管理の効率化やセキュリティ強化など、さまざまなメリットが得られます。

ファイル名や本文に情報を埋め込む必要がない

従来のファイル管理では、従来はファイル名に【社外秘】のように情報を付加していましたが、ラベル機能を使えばファイル名をシンプルにできます。

代わりに、ラベルを使って以下のような情報を付与できます。

  • 公開範囲:社外秘、個人、共有、公開 等
  • 経理書類分類:見積書、請求書、納品書、領収書 等
  • 年月:作成日、締結日、有効期限 等
  • ステータス:下書き、修正中、確定 等
  • 特定の部署や担当者のラベルを用意する

ラベルのイメージ

検索項目として使用できる

ラベルはドライブ上の検索項目として利用できます。
特定のラベルが付いたファイルや、ラベルの項目に特定の値が入力されたファイルを簡単に検索できます。
これにより、必要な情報を素早く見つけ出すことができます。

例えば、「経理書類分類」が「見積書」で、「ステータス」が「確定」のファイルを検索するといったことが可能です。

ラベルの種類

Google Workspace ドライブのラベルには、「バッジラベル」と「標準ラベル」の2種類があります。
それぞれのラベルは、最大10個までの項目を設定できます。

バッジラベル

バッジラベルは、組織全体で1つだけ作成できる特別なラベルです。
ファイル名の横に色付きのアイコンで表示されるため、ファイルの重要度や種類を一目で識別できます。
バッジラベルは、企業の定める共有範囲や機密レベルなど、重要な情報を目立たせるために使用すると効果的です。

バッジラベルには、以下の項目を設定できます。

  • 項目名:機密区分など
  • オプション名:選択肢名(社外秘/社内限定/公開 など)
  • バッジの色:10色 + 「なし」から選択

注意点

  • 複数のバッジラベルを作成することはできますが、ファイルに適用されるバッジラベルは、優先順位が最も高い1つのみです。
  • 複数のバッジラベルを同時に運用することはできません。

ラベル選択時のバッジラベルと標準ラベルの表示の違い

バッジラベル(左)と標準ラベル(右)
ファイルのバッジラベル表示例

標準ラベル

標準ラベルは、汎用的なラベルで、最大150個まで作成できます(バッジラベルがある場合は149個まで)。
ファイル名の下に表示され、ファイルの詳細情報を整理するのに役立ちます。

標準ラベルには、以下の5種類の項目を設定できます。

  • オプションリスト:任意の選択肢から1つ選択(例:契約書の種類)
  • 番号:任意の番号を入力(例:請求書番号)
  • 日付:YYYY年MM月DD日 または YYYY/MM/DD 形式で日付を選択(例:契約開始日)
  • テキスト:任意のテキストを入力(例:プロジェクト名)
  • 人物:組織内外のユーザーを選択(例:担当者)

標準ラベルの項目の種類

標準ラベルは、プロジェクト名、部署名、ファイルの種類など、さまざまな情報を整理するために活用できます。

ラベルの活用

ラベルでの検索

通常のキーワード検索に加えて、ラベルを検索条件として使用できます。
ラベルの種類に応じて、「一致/不一致」「含む/含まない」などの条件を設定し、複数のラベルを組み合わせることも可能です。
これにより、より絞り込んだ検索が可能になり、必要なファイルを素早く見つけることができます。

契約日、担当者など、キーワード検索だけでは見つからないファイルを検索することができます。
また、複数の条件を組み合わせることで、より絞り込んだ検索が可能になり、必要なファイルを効率的に見つけられます。

ラベルの検索イメージ
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Google Vault によるファイルの保持

Google Vault は、Google Workspace のデータを保持、アーカイブ、検索、エクスポートするための情報ガバナンスツールです。
特定のラベルが付いたファイルに対して Vault で保持ルールを設定することで、法令遵守や訴訟対策に役立てることができます。
(利用には Business Plus エディションの契約が必要です。Vault を単体で利用することはできませんのでご注意ください。)

ラベルに日付フィールド(例:契約日、有効期限など)を設定すると、ドライブのカスタム保持ルールが適用できるようになります。
通常、ファイルの保持期間の開始日は、作成日、更新日、またはゴミ箱に移動した日のいずれかになりますが、ラベルの日付フィールドを利用することで、保持期間の開始日を柔軟に設定できます。

例えば、数週間前に作成した見積書が確定した場合、ラベルの日付フィールドに確定日を設定すれば、その日付から保持期間を開始することができます。
これにより、ファイルの作成日や更新日に関わらず、重要な日付に基づいてファイルを保持することが可能になります。

ライフサイクルの管理

Cloud Strage を利用すれば、Google Workspace ドライブのライフサイクル管理機能を使用すると、特定のラベルが付いたファイルに対して、自動的にアーカイブや削除などのアクションを実行するルールを設定できます。
これにより、ストレージ容量の節約、古い情報の整理、セキュリティリスクの低減を実現できます。

ライフサイクル管理の例

  • 古いファイルの自動アーカイブ:一定期間更新されていないファイルに「アーカイブ」ラベルを付け、自動的にアーカイブする。
  • 不要なファイルの自動削除:一定期間経過したファイルや、特定のラベルが付いたファイルを自動的に削除する。
  • プロジェクト完了後のファイルのアーカイブ:プロジェクト完了日から一定期間後に、プロジェクト関連のファイルを自動的にアーカイブする。

GASでの利用

Google Apps Script(GAS)とラベル機能を連携させることができます。
特定のラベルが付いたファイルをトリガーとして、GASで様々な処理を実行できます。
ドライブ内のファイル操作を自動化できるため、業務効率化、手動作業によるミスの削減、リアルタイム処理など、多くのメリットがあります。

  • 特定のラベルが付いたファイルを検知したら、自動的にメール通知を送信する
  • ラベルに基づいてファイルを特定のフォルダに移動する
  • ラベルの内容に応じて、スプレッドシートに情報を記録する
  • その他、GASでできる様々な処理を自動化

GASとラベル機能を組み合わせることで、ドライブ内のファイル管理を効率化し、より高度なワークフローを実現できます。

電子帳簿保存法への対応

ラベル機能を活用することで、電子帳簿保存法への対応を効率化できます。

  • 必要な取引情報のラベル化:日付、金額、取引先)などの情報をラベルの項目として設定
  • ラベルによる検索性の向上:ラベル検索を利用することで、必要な取引情報を素早く見つけ出す
  • Vault との連携による保持:特定のラベルが付いたファイルを Vault で保持することで、法定期間の保存義務を履行(※Vault の機能は Business Plusエディションのみで利用可能)
  • GAS による自動化の可能性:GAS を活用することで、ラベルに基づいたファイルの自動処理(例:特定のフォルダへの移動、スプレッドシートへのデータ転記など)を行い、さらなる効率化を図ることも可能

ラベル機能はコンプライアンスや情報管理の強化にも役立ちます。
適切なラベル設定とルール設定を行うことで、組織の重要な情報を安全かつ効率的に管理しましょう。

まとめ

Google Workspace のラベル機能は、ファイルの整理、検索、セキュリティ管理、コンプライアンス対応など、さまざまな側面から業務効率化を支援するツールです。

ファイル名や本文に頼らず、メタデータであるラベルを活用することで、シンプルかつ効果的なファイル管理を実現します。
ラベル検索、Google Vault 連携、ライフサイクル管理、GAS 自動化など、多様な活用方法で、組織のニーズに合わせた柔軟なファイル管理を可能にします。
ラベル機能を活用し、ファイル管理の新たな可能性を切り拓きましょう。

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12 - メーリングリストだけじゃない! Google グループの機能紹介

Google Workspace の Google グループ機能について、メーリングリスト作成、アクセス権限の一括管理など、便利な機能を分かりやすく解説します。

Google グループは無料版でも利用できますが、Google Workspace の Business エディションでは、さらに多くの機能が利用可能になり、ビジネスシーンに最適な活用方法があります。
この記事では、Google Workspace の Business エディションで利用できる Google グループの機能や活用方法について詳しく解説します。

Google グループとは? ビジネス活用で得られる効果

Google グループとは、社内コミュニケーションや情報共有を効率化するためのオンラインプラットフォームです。
グループの機能として、メーリングリスト、コンテンツ共有、カレンダーの招待状に使用することができ、複数名での作業が効率化されます。
グループ名の変更、メンバー追加・編集、設定変更、削除はいつでも可能で、最大500個までグループを作成することができます。

この記事では、メーリングリスト機能とセキュリティ強化に注目して紹介していきます。
(各項目についての設定方法は別記事をご参照ください。 リンク:Google グループの設定方法

基本機能の紹介

Googleグループは、多様なコミュニケーションニーズに対応できるよう、複数の機能を提供しています。
Googleグループは、大きく分けて「メーリングリスト」と「アクセス権限の設定」の2つの機能があります。
それぞれの機能について詳しく見ていきましょう。

メーリングリスト(メール)

メーリングリストとは、特定のグループの人々に対して、一斉にメールを送信できる仕組みです。
メーリングリストのアドレスにメールを送ると、リストに登録された全員に同じメールを同時に送信できます。
Google グループでは、このメーリングリスト機能をより便利に、そして安全に活用することができます。
メーリングリストイメージ

Google グループのメンバーになると、グループに送信されたメールがユーザーのメールボックスに自動的に配信されます。
メンバー側で特別な受信設定を行う必要はありません。

メールへの返信は、普段使い慣れたメールボックスから行うことも可能です。
さらに、Google グループのページにアクセスすれば、以下のような便利な機能を利用できます。

  • 一斉メール配信:社内外のメンバーを含むグループの全メンバーに一斉にメールを送信し、効率的に情報を共有
  • 共同トレイ:グループで受信したメールに対し、担当者の設定や対応状況(ステータス)をメンバー間で共有し、協力して対応
  • 役割:オーナー、マネージャー、メンバーといった役割を設定し、グループ内で実行可能な操作を制限・セキュリティを強化
  • ディスカッション:グループ内でメッセージを投稿し、メンバー同士で活発な意見交換を行い、プロジェクトの推進や課題解決を促進
  • メールアーカイブ:過去のメールはグループ内に自動的に保存され、いつでも検索・参照が可能

Google グループのメーリングリスト機能は、複数人で同一のメールアドレスを管理する場合に特に効果を発揮します。

例えば、info@example.comsupport@example.comrecruit@example.com など、複数名で運用するメールアドレスを、ID・パスワードを共有して、1つのアカウントを複数名で使用していませんか?
複数名で同一のアカウントを共有することは、セキュリティ面で大きなリスクとなります。

Google グループのメーリングリスト機能を活用すれば、各ユーザーがそれぞれのアカウントを利用した上で、共通のメールアドレス宛てに届いたメールを受信し、対応することができます。
これにより、セキュリティを確保しつつ、複数人でメールを効率的に管理することが可能になります。

アクセス権限の管理(Googleドライブ)

Google グループで作成したグループは、メーリングリストのメンバー管理だけではなく、Google ドライブのアクセス権限の管理にも使用することができます。
Googleドライブでファイルやフォルダを共有する際、個々のユーザーを指定する代わりに、Googleグループを指定することで、アクセス権限を一括で管理できます。
これは、特に多数のユーザーとファイルを共有する場合に非常に便利です。 アクセス権限付与のイメージ

  • ユーザーの一括設定:グループのメールアドレスを指定することで、ファイルやディレクトリの共有権限設定の際に、グループメールアドレスでメンバーを全員追加
  • セキュリティ強化:個別にユーザーを設定することがないため、誤って権限を与えてしまうリスクを軽減
  • 管理コストの削減:グループで適用したメンバーの追加や削除は、アクセス権限にも一括で反映される

Google グループを活用することで、Google ドライブのアクセス権限をより効率的かつ安全に管理することができます。

無料版との違い

グループ機能は、無料の Google アカウントでも利用することができます。
Business エディションと、無料の Google アカウントで利用できるグループ機能との違いを簡単にまとめます。

  • グループの管理機能: Business エディションでは、「グループを検索できるユーザー」と「グループに参加できるユーザー」について、組織内外のユーザー、特定のドメインのユーザーなど、より細かく設定できます。
    無料版では、これらの設定が制限されます。
  • アクセス管理とセキュリティ: Business エディションでは、組織内外のアクセスを詳細にコントロールできます。
    無料版では、グループを完全に非公開にすることはできず、誰でも参加できる公開グループまたはメンバーの承認が必要なグループしか作成できません。
  • メンバーの権限管理: 無料アカウントでは、グループマネージャー、オーナーを設定することはできません。
    グループの作成者がオーナーになり、その他のメンバーの権限設定をすることはできません。

Google グループの作成方法

Google グループは、管理コンソールから作成する方法と Google グループのページから作成する方法の2つがあります。
グループの機能はどちらで作成した場合でも大きな差はありませんが、一部に違いがあります。
以下では、各作り方の特徴と違いについてまとめます。
グループ作成

管理コンソールから作る

管理コンソールから Google グループを作成する方法は、組織全体のユーザーを対象としたグループを作成する場合に適しています。

管理コンソールから作成するメリット

  • 組織全体のグループを一元管理できる: 管理コンソールでは、組織内のすべてのグループを一元管理できます。
    グループの作成、削除、設定変更などを一括で行うことができます。
  • 組織構造に合わせたグループを作成できる: 組織の部門や階層に合わせてグループを作成することができます。
    例えば、営業部、人事部といった部門ごとにグループを作成したり、役職ごとにグループを作成したりすることができます。
  • グループの利用状況を監視できる: グループの利用状況を監視することができます。
    例えば、グループに投稿されたメッセージ数や、メンバーのログイン状況などを確認することができます。
  • ユーザーの一括追加: 組織内のユーザーを一括でグループに追加することが可能です。
    (デフォルトで「すべてのユーザー」を追加する項目があります)

管理コンソールから作成する際のポイント

  • ユーザーに対して Google グループのサービスが無効化されていても、管理コンソールからであればグループを作成することができます。
  • 管理コンソールから作成したグループは、管理コンソールのグループ一覧に表示されます。
    Google グループのページから作成したグループは管理コンソールのグループ一覧には表示されません。
  • 管理コンソールから作成したグループも、Google グループのページの一覧に表示され、設定を行うことができます。

グループページから作る

Google グループのページから Google グループを作成する方法は、個々のユーザーが自分の用途に合わせてグループを作成する場合に適しています。

Google グループのページから作成するメリット

  • ユーザー主体のグループ作成
    ユーザーが自分のニーズに合わせて、自由にグループを作成し、運用することができます。
  • 多様なグループタイプ
  • メーリングリスト、Webフォーラム、Q&Aフォーラムなど、グループの運用スタイルに合わせたタイプが選択できます。

Google グループのページから作成する際のポイント

  • ユーザーがグループ機能を利用する場合、管理コンソールで Google グループのサービスを有効化している必要があります。
  • ユーザーには、表示権限が与えられているグループの一覧が表示されます。 管理コンソールから作成したグループも一覧に表示されます。
  • ユーザー編集、登録(グループがメールを受信した際の通知頻度)などについても、権限がある範囲で設定の変更が可能です。
  • 自身がオーナーになっているグループを除き、グループからの退会を行うことができます。

組織として管理するグループは管理コンソールから作成し、柔軟に作成・運用するグループは Google グループのページから作成するように使い分けると良いでしょう。

まとめ

この記事では、Googleグループについて解説しました。
Googleグループは、メーリングリストとして活用したり、Googleドライブと連携してアクセス権限を管理したりと、様々なシーンで活躍します。

無料版でも基本的な機能は利用できますが、Businessエディションではより高度な設定や管理が可能になります。
Google グループの機能にご興味をお持ちの方は、ぜひこの機会に詳細な機能や料金プランをご確認ください。

また、Google グループの機能をはじめ、Google Workspaceの導入や活用についてお困りごとがあれば、FreeGufoまでお気軽にご相談ください。

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